コラム

日本の大学にもパレスチナ支持デモが広がっているが......

2024年05月22日(水)15時15分

同じ日本人としては、惜しくも故人となられましたが、緒方貞子氏も国連難民高等弁務官としてパレスチナ問題に対しては大変に大きな尽力をされました。その緒方氏にしても、日本の外交方針、国是との整合性をすり合わせつつ国連に貢献したことは間違いありません。

アメリカの学生が政府に反発し、大学に反発して行動しているのには一理あります。またその影響も、少しではありますが出ているようです。ですが、日本の場合は、少なくともパレスチナ問題に関しては、国の政策にも、また政府の行動にも「デモに訴えて変えるべき点」は少ないと思います。ですから、アメリカの大学生の真似をするのはやはり勘違いだと思います。

それよりも、緒方氏や赤根氏のように、実務能力と組織を動かす知恵を持ちながら、時には現場に飛び込み、また時には後進を育てる徹底的にリアルな生き方を、若者たちには目指していって欲しいと思います。


 
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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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