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一般教書演説ではイラン攻撃ではなく物価高対策を強調したトランプ
物価高対策など国内経済問題を中心に語ったトランプ Kenny Holston-Pool Photo via Imagn Images/USA TODAY Network/REUTERS
<イランへの強硬姿勢を表明するのではという見方もあったが、外交努力を優先するという表現にとどめた>
アメリカは、イランに対する軍事行動を検討しているようです。前回、イスラエルとの共同作戦で地下の核施設などを破壊したのは昨年6月のことでした。ですが、今回は改めて核施設に限定的な攻撃を行い、その後に大規模な作戦を展開する構えです。
トランプ大統領は2月24日の一般教書演説でこの問題、つまり対イランの軍事行動について、強硬な姿勢を表明する可能性が指摘されていました。結果的に演説の場では、まずは外交努力を優先するとしていましたが、依然として2つの空母打撃群を中東地域に展開するなど臨戦態勢を崩していません。
前回の地下施設破壊に続いて、改めて攻撃を検討している理由としては、イランの国内情勢があるとしています。イラン市民は、経済制裁による生活苦などへ抗議していますが、これに対して軍による激しい弾圧が行われているからです。
アメリカはこれを「許せない」ので攻撃するとか、宗教指導者による政治について政体の変更を狙うなどと言っています。しかしながら、仮にアメリカが攻撃をしたら、指導層は「やはりデモ隊は外敵と通じていた」と弾圧を激化するのは目に見えています。もし核開発を停止して制裁を解除するようにするのがイラン市民の希望であるのなら、アメリカが攻撃することはそれを妨害することになるわけです。
米軍幹部からは警告も
現在のアメリカが、この点についての認識が足りないのかというと、そうではないと思われます。現政権の軍事外交姿勢は、あくまで「アメリカ・ファースト」です。ですから、本当にイランの市民の立場に同情しているわけではないのです。
アメリカの保守派にとっては、1979年の革命時に、パーレビ国王の亡命を手助けしたことを恨まれた事件が強い遺恨として残っています。特に、当時発生したテヘランのアメリカ大使館人質事件は、カーターとレーガンの2人の大統領を悩ませたことで、アメリカのある世代以上の保守派には今でも敵意が残っていると言えます。
そんな経緯もあることから、イランのイスラム共和国という政体については、アメリカにとって明確な敵という感覚もあります。だからこそトランプ氏としては、これに対して敵対を強め、実力行使も取り混ぜることで、「強いアメリカ」を見せつけたい、そんな思惑もあるようです。
ですが、仮に小規模な核施設への攻撃から、政権転覆を狙うような大規模な攻撃へと進める場合は、大きな政治的リスクがあるという指摘もあります。例えば、現在の統合参謀本部のケイン議長は「大規模攻撃を行った場合は、米兵の犠牲も大規模となる」という警告を発しています。
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