Picture Power

【写真特集】ブラック・パンサーの主役だった女性同志たち

Photographs by STEPHEN SHAMES

2022年09月30日(金)18時00分

収監されていた創設者ニュートンの解放を求めるカリフォル ニア州オークランドの集会で党員たちと話す女性初の同党中央委員会委員、キャスリーン・クリーバー(左、1968年7月)

<米社会を揺るがした「黒豹党」だが、実は女性の力に支えられた組織だったことは知られていない>

ブラック・パンサー(黒豹)党といえば、1966年に結成され、過激な黒人解放運動をアメリカで展開した団体だ。社会主義を標榜し、黒人に武装自衛を呼び掛けて警察と衝突した一方、食料配給や無償の医療サービス提供にも努め、一時代を画した。

米社会を大いに揺るがしたブラック・パンサーだが、実は女性の力に支えられた組織だったことは知られていない。党員の6割が女性だったと推定されており、年齢から出自まで多様な背景を持つ女性党員たちが、日々の抗議活動や組織運営に携わった。

写真家のスティーブン・シェイムズは20歳の大学生だった67年、ブラック・パンサー創設者のボビー・シールとヒューイ・P・ニュートンと知り合い、組織のさまざまな姿を捉えることを許された。

10月発売の『同志姉妹たち──ブラック・パンサー党の女性たち』は、シェイムズの写真を基に同党の女性を描いた初の写真集。元幹部のエリカ・ハギンズも文章を寄せた。

BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動が広がる今こそ、ブラック・パンサーを振り返る意義があるはずだ。

All Photographs © 2022 Stephen Shames; "Comrade Sisters: Women of the Black Panther Party" by Stephen Shames and Ericka Huggins published by ACC Art Books.

ppblack02.jpg

党員の子供たちのために党が創設の地オークランドで開いた学校で、黒板の前に立つ女子生徒。近隣住民の子供も受け入れていた(1971年)


ppblack03.jpg

ニュートン解放を求める集会でスピーチする思想家で黒人解放運動家のアンジェラ・デービス。一時期は自身も党員で、離党しても良好な関係を保った(1969年11月)


ppblack04.jpg

作家で黒人解放活動家ジョージ・ジャクソンのオークランドの葬儀で仁王立ちする党員たち。刑務所から脱走を試みて射殺された党員ジャクソンの死は大きなニュースだった(1971年8月)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

林氏が政策公表、物価上昇緩やかにし1%程度の実質賃

ビジネス

午後3時のドルは147円前半へ上昇、米FOMC後の

ビジネス

パナソニック、アノードフリー技術で高容量EV電池の

ワールド

米農務長官、関税収入による農家支援を示唆=FT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story