Picture Power

【写真特集】写真展『プリピクテ』 「嵐」が生む不安と混乱を、再生の力と共に描いて 

A WORLD BATTERED BY STORMS

Photographs by 国際写真賞『プリピクテ Storm(嵐)』より

2025年12月12日(金)11時37分
国際写真賞

新井 卓(Takashi Arai) <シリーズタイトル> 『百の太陽に灼かれて』 (Exposed in a Hundred Suns) <作品タイトル> 原爆ドームのための多焦点モニュメント、マケット(2014年) ▶日本、アメリカ、マーシャル諸島の核史跡や記念碑を系統的にたどり、19世紀前半に考案された写真技法のダゲレオタイプ(鏡面にした銀板に被写体を描出する)を用いて6センチ四方の数百点を撮影する「マイクロ・モニュメント」シリーズを制作 Credit: Courtesy Takashi Arai

<写真の力を使って、サステナビリティーに関する地球規模の課題に注目を集め、議論を喚起する目的で設立された国際写真賞「プリピクテ」。その世界巡回展が東京で開催中>

広島の原爆ドーム、消滅に向かう米ユタ州の湖、稲妻の閃光が写し取ったアマゾンのヤシの木──環境崩壊や社会不安をさまざまな技法と表現で捉えた写真が、第11回「プリピクテ」の最終候補に選出された。この国際写真賞は、写真の力を使ってサステナビリティー(持続可能性)に関する地球規模の課題に注目を集め、議論を喚起するのが目的。2008年にスイスのピクテ・グループが創設した。

今回の賞のテーマに設定された「嵐」は、自然現象だけではなく、戦争や暴動、行きすぎた資本主義のような人類が内包する破壊的な力の渦としても解釈される。写真家たちは、揺らぐ社会の基層を多角的に写し出すとともに、危機から生まれる回復力や再生の希望も描いている。

作品は、写真展『プリピクテ「Storm(嵐)」』として世界を巡回。日本では、12月12日から26年1月25日まで東京・恵比寿の東京都写真美術館で展示されている。

<写真展>
<写真展>
プリピクテ Prix Pictet「Storm(嵐)」
2025年12月12日~2026年1月25日
出展作家
新井卓、マリーナ・カネーヴェ、トム・フェヒト、バラージュ・ガールディ、ロベルト・ワルカヤ、アルフレド・ジャー、ベラル・ハレド、ハンナ・モディグ、ボードワン・ムワンダ、カミール・シーマン、レティシア・ヴァンソン、パトリツィア・ゼラノ
会場:東京都写真美術館

次ページ:【写真特集】「嵐」が生む不安と混乱を、再生の力と共に描いて 〜写真展『プリピクテ』から作品の紹介

【連載21周年】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2025年12月16日号掲載

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

欧州委、XのAI「Grok」を調査 性的画像生成巡

ワールド

中国、春節中の日本渡航自粛勧告 航空券無料キャンセ

ワールド

OPECプラス有志国、3月の据え置き方針維持か 2

ワールド

インドネシア中銀理事に大統領のおい、議会委員会が指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story