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【写真特集】写真展『プリピクテ』 「嵐」が生む不安と混乱を、再生の力と共に描いて
A WORLD BATTERED BY STORMS
Photographs by 国際写真賞『プリピクテ Storm(嵐)』より
新井 卓(Takashi Arai) <シリーズタイトル> 『百の太陽に灼かれて』 (Exposed in a Hundred Suns) <作品タイトル> 原爆ドームのための多焦点モニュメント、マケット(2014年) ▶日本、アメリカ、マーシャル諸島の核史跡や記念碑を系統的にたどり、19世紀前半に考案された写真技法のダゲレオタイプ(鏡面にした銀板に被写体を描出する)を用いて6センチ四方の数百点を撮影する「マイクロ・モニュメント」シリーズを制作 Credit: Courtesy Takashi Arai
<写真の力を使って、サステナビリティーに関する地球規模の課題に注目を集め、議論を喚起する目的で設立された国際写真賞「プリピクテ」。その世界巡回展が東京で開催中>
広島の原爆ドーム、消滅に向かう米ユタ州の湖、稲妻の閃光が写し取ったアマゾンのヤシの木──環境崩壊や社会不安をさまざまな技法と表現で捉えた写真が、第11回「プリピクテ」の最終候補に選出された。この国際写真賞は、写真の力を使ってサステナビリティー(持続可能性)に関する地球規模の課題に注目を集め、議論を喚起するのが目的。2008年にスイスのピクテ・グループが創設した。
今回の賞のテーマに設定された「嵐」は、自然現象だけではなく、戦争や暴動、行きすぎた資本主義のような人類が内包する破壊的な力の渦としても解釈される。写真家たちは、揺らぐ社会の基層を多角的に写し出すとともに、危機から生まれる回復力や再生の希望も描いている。
作品は、写真展『プリピクテ「Storm(嵐)」』として世界を巡回。日本では、12月12日から26年1月25日まで東京・恵比寿の東京都写真美術館で展示されている。
<写真展>
<写真展>
プリピクテ Prix Pictet「Storm(嵐)」
2025年12月12日~2026年1月25日
出展作家
新井卓、マリア・カネーヴェ、トム・フェヒト、バラージュ・ガールディ、ロベルト・ワルカヤ、アルフレド・ジャー、ベラル・ハレド、ハンナ・モディグ、ボードワン・ムワンダ、カミール・シーマン、レティシア・ヴァンソン、パトリツィア・ゼラノ
会場:東京都写真美術館
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【連載21周年】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2025年12月16日号掲載
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