<空気に惑わされ「投資機会」を逃した人もいたようだが、「リリーフラリー」としては自然な値動きだ>

イラン戦争が長期化するとの懸念で、3月後半に米国株市場(S&P500)は、高値から約8%下落して調整局面入り寸前に達した。

ただし、4月8日コラム「一足早く『原油離れ』していた株式市場...停戦で米国経済はリスクが減ったが、日本はどうか」で指摘したとおり、株式市場はその後、戦闘長期化のシナリオを一足早く織り込む動きを見せ、筆者の想定どおり、ドナルド・トランプ米大統領は早期停戦に動いた。それから4月中旬まで株式市場の反発が続き、3月の安値から約10%上昇して、4月15日に米国株は史上最高値を更新した。

3月に株価が下落していた局面で、メディアで目立ったのが、「革命防衛隊率いるイランによる抵抗が強いので戦闘が長引く」との観測記事である。これらは、米国やイスラエルによる攻撃への憤りなどの心情が影響したのだろう、抵抗するイランサイドに偏った論調に見えた。

ただ、軍事的に優勢に立つ米国とイスラエルの意向が、今回の戦争の行方を決めるのが現実である。そして、革命防衛隊が支配しているかのように言われるイランの内情は複雑であり、軍事的・経済的に追い込まれているのが実情だろう。

筆者は一貫して、トランプ大統領の立場を重視して今回の戦争の帰趨を見通し、戦争を短期間で終わらせる政治判断が下されるという想定を維持していた。株価が下落する局面での筆者のこの見方は、記事を読んだ一部の読者の反感を買い、SNSなどを通じて批判を受けた。

こうした読者は、株価下落と大手メディアの論調が作る空気に惑わされて、「投資機会」を逃していたのだろう。今回のイラン戦争を巡る株式市場の値動きから得られる教訓は、「逆シグナルになる偏った論調を冷静に見定めることで投資リターンを高められる」ことである。

もちろん、米国とイランの停戦が実現するまでには、まだ紆余曲折が十分にあり得る。

この程度の原油高なら世界経済全体への影響は限定的
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