FRBが利下げを再開する可能性は高いか、低いか

長期金利が高止まったままであるのは、原油価格(WTI)が90ドル付近に上昇したままで、FRB(米連邦制度準備理事会)が利上げを余儀なくされるなど、インフレ懸念がくすぶっていることが影響している。

イラン戦争の終結を一足先に楽観している株式市場の見立てが正しいのであれば、高止まりする原油価格は今後低下するはずだ。そして、原油高によって高止まったままの米長期金利も、2月末の水準である4.0%に向かって低下する可能性が出てくるが、それは実現するかは不透明である。

筆者はその可能性は低いと考えている。ホルムズ海峡が正常化して原油価格がやや低下しても、米国経済の高い成長率が続くため、FRBが利下げを再開する可能性は低いとみているためである。

米国においても、原油高は家計消費を抑制するが、2025年9月からの利下げや減税政策などが景気刺激的に作用するため、2%を超える経済成長が続くと予想されるからだ。

実際に、調整懸念が強かった労働市場の最悪期は失業率が4.5%だった2025年11月とみられ、その後失業率は緩やかながらも低下している。生成AIの広がりによる生産性の高まりの後押しもあり、雇用の伸びは限定的でも米国では2%を超える経済成長が続くだろう。

こうした経済状況であれば、原油価格が落ち着いたとしても、FRBは経済とインフレ双方のリスクを同様にみながら、政策金利の据え置きを続けると筆者は2月時点から予想している。

このため、米長期金利は2月末のような4.0%まで低下せずに、米経済の高成長持続を織り込む格好で緩やかに上昇するだろう。原油高が落ち着いても、為替市場ではドル高地合いが続く可能性がある。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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