<日本時間4月8日、トランプ米大統領がイランとの停戦に合意したと発表。だがそれ以前から、株式市場は原油と異なる値動きを見せていた>

3月17日コラム「原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右するもの」で筆者は、4月中にイランとの武力衝突がほぼ終結、原油高は年央には落ち着くとの楽観的な想定を述べた上で、米国経済への影響は限定的であるとの見方を示した。

その後、3月末まで戦闘に関する報道が飛び交う中で、戦争が長期化し、ホルムズ海峡封鎖が続くとの懸念がくすぶり続けた。原油価格の上昇が止まらず、米国株(S&P500)は3月末に急落、2月の最高値から一時約10%下落する場面があった。

ドナルド・トランプ米大統領が4月1日の国民向け演説でイラン攻撃を継続する可能性を明言したことで、原油価格(WTI先物価格)は一段高となり、110ドル/バレル付近まで上昇した。4月2日も原油高は止まらなかったが、一方でこの日、米国株市場は下落しなかった。

イラン戦争が泥沼化するとの懸念で原油高は続くが、株式市場はそれと異なり、戦闘状況が和らぎ、ホルムズ海峡の長期封鎖には至らないと判断して、約1カ月ぶりに「原油離れ」の値動きを見せたと言える。

トランプ大統領による「戦争を短期間で終わらせる」方針は一貫しており、秋に中間選挙を控えているのだから、合理的にTACO(Trump Always Chickens Out/トランプはいつも怖気づく)という融和的対応が選択される。

革命防衛隊が支配するイランの強硬姿勢がメディアのヘッドラインで多く流れるが、実際には、周辺諸国からの働きかけを利用することで、イラン側にも戦争の長期化を回避しようとする動きが見られていた。

ホルムズ海峡の航行正常化は楽観できない
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