最新記事
シリーズ日本再発見

米記者が書いた、愛ある『マリオゴルフ』評

Mario’s Back on the Green

2021年08月31日(火)17時20分
ジム・ニューウェル(スレート誌記者)

懐かしいキャラと再会

加えて、コースごとにスピーディーなプレーを促す工夫も施されている。例えば砂漠のコースでは、飲用水を飲み切る前にラウンドを終えなくてはならない。

不満なのは、プレーをせかされるばかりで、ほかの楽しい要素が不足しているように感じられることだ。物足りなく思える点がいくつもある。ただし今後、ダウンロードコンテンツの形で追加機能がリリースされる可能性はある。

このゲームを1人でプレーする場合には、「アドベンチャーモード」というプレーモードを選ぶこともできる。このモードでは、RPG(ロールプレイングゲーム)のように、いくつかのコースとその周囲の町を旅しながらプレーを重ねてスキルを磨き、ゴルフ初心者から一流プレーヤーを目指す。

この冒険の旅の途中では、マリオの世界でおなじみのキャラクターたちにも少しずつ出番がある。初期の作品でマリオと敵対して、口から卵を吐き出したキャサリンは、トーナメント参加者向けの民宿の経営者に転身。コース整備の仕事をしている恥ずかしがり屋のヘイホーや、ゴルフのインストラクターになったカメのキャラクター、ハンマーブロスとも再会できる。

【関連記事】日本発のヤクザゲーム『龍が如く』がアメリカを席巻⁉

けれども、このプレーモードは退屈な面もある。強制的にゴルフの練習をさせられたり、大会への出場登録の受付所で手続きに手間取ったり、悪天候でプレーできないと言われて出直しを余儀なくされたりするなど、ゴルフのプレー以外のことにかなり時間を取られるのだ。

確かに、こうした経験は現実世界でゴルフをプレーする場合は珍しくない。でも、コンピューターゲームの世界でもそんな経験をさせられるのは勘弁してほしい。ゴルフだけやらせてくれれば、それで十分なのだ。

シンプルで直感的な操作でプレーできる点は素晴らしい。問題は、プレーヤーがプレーの精度を高める手だてが十分に用意されていないことだ。ショットの軌道をプレビューする仕組みがないので、どのようにスイングを調整すればいいかが分からない。

子供向けゲームにそこまで要求するほうが変? でも、完璧主義者のワルイージが出てくるゲームは、それにふさわしい完成度を備えていてほしいと思う。今後のアップデートに期待したい。

©2021 The Slate Group

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利維持 過度なフラン高に対抗

ビジネス

FRB議長候補ウォーシュ氏、民主党がエプスタイン疑

ビジネス

台湾中銀、成長予想大幅引き上げ 紛争長期化なら引き

ビジネス

商船三井、投資家からのコンタクトは事実=エリオット
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 10
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中