ウクライナ戦争を見ても「強制的な徴兵」が世界でほとんど復活しない訳 「国民の拒絶反応」以外にも理由が
自発性なき強制の限界
世界の安全保障環境が厳しさを増しているなか、日本でも一部の言論人が「徴兵制」をしばしば口にする。その多くは古典的なものの'復活'を支持しているようだ。
韓国、イスラエル、台湾などでは古典的な徴兵制に近いものが運用されている。しかし、これらは国民のかなりの割合の支持があって初めて成立する。
逆に、そうでない国にとって自発性をともなわない徴兵は逆効果とさえいえる。
だからこそ、選択と同意を前提とする制度を採用した国を含めても、ヨーロッパで徴兵制のある国は昨年段階で48ヵ国中18ヵ国と3分の1以下にとどまり、イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガルなど徴兵制の再開がほとんど議論されない国も珍しくない。
これに関してイギリス国際戦略研究所のフランツ・ステファン・ギャディ研究員は「徴兵制はロシアの脅威に対する解答にならない」「むしろ予備役を充実させるべき」と主張する。
もっとも、ギャディの議論は普段は市民として生活し、訓練と任務の時だけ招集される予備役(日本では予備自衛官)を重視するものだが、これは選択と同意を前提とする点でスカンジナビア方式などを採用する国の考え方と表裏一体ともいえる。
つまり、どんな方式を採用するにせよ、国家の安全を確保するうえで重要なのは個人の意思を尊重することといえるだろう。言い換えるなら、昔ながらの徴兵制にこだわっても生産性は低いのである。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
※筆者の記事はこちら。
世界に混乱をもたらす「トランプ関税」をロシアが免れたワケ 2025.04.09
同盟国にも牙を剥くトランプ大統領が日本には甘い4つの理由 2025.03.07
「核兵器を使えばガザ戦争はすぐ終わる」は正しいか? 大戦末期の日本とガザが違う4つの理由 2024.08.15
パリ五輪と米大統領選の影で「ウ中接近」が進む理由 2024.07.30
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
「カスタマーサクセス~外資系企業を中心に採用の支援~」/業界未経験OK/留学・海外生活経験、外国籍など活躍中
株式会社キャリアクロス
- 東京都
- 年収400万円~500万円
- 正社員
-
大手町駅徒歩5分 外資系インフラベンダーPM
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
グラフィックデザイナー/外資系大手ブランド多数/百貨店、商業施設、店舗SPツール・展示会用パネル等
株式会社ユウクリ
- 東京都
- 月給21万円~28万円
- 正社員 / 派遣社員