最新記事
考古学

クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?

'Remarkable' Collection of Artifacts Unearthed in Ancient Egyptian Temple

2025年4月9日(水)16時10分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)
タップ・オシリス・マグナ神殿から出土した遺物

最新の出土品がクレオパトラとの関係を物語るか HANDOUTーLATIN AMERICA NEWS AGENCYーREUTERS

<神殿跡から見つかった遺物は、タップ・オシリス・マグナ神殿こそがクレオパトラの埋葬された墓だという仮説を裏付けることができたのか──>

古代エジプトの神殿跡で出土した「見事な」遺物──。エジプト観光・考古省は昨年12月、アレクサンドリア西郊の古代都市タップ・オシリス・マグナで、エジプトとドミニカ共和国の合同調査隊が彫像や陶器、硬貨を新たに発掘したと発表した。後期プトレマイオス朝の歴史を掘り下げる鍵になるという。

【画像】クレオパトラの小像?エジプト観光・考古省のフェイスブック投稿

紀元前304年に始まったプトレマイオス朝は、紀元前30年に古代ローマに滅ぼされた。タップ・オシリス・マグナの神殿は、冥界の神オシリスにささげるべく、紀元前3世紀にプトレマイオス2世が建立したとされ、歴史的・考古学的に重要な価値がある。


「最後の女王」クレオパトラ7世と関係する可能性がある神殿としても有名だ。この場所こそ、クレオパトラが埋葬された墓だという仮説を、学者たちは唱えてきた。

今回の大きな発見の1つが、王冠姿の女性の白大理石製の小像と、縞模様のファラオの頭巾ネメスを着けた王の石灰岩製の胸像だ。女性像はクレオパトラをかたどったものだと、発掘調査を率いるドミニカの考古学者、キャスリーン・マルティネスはみている。

だがエジプト考古最高評議会のモハメド・イスマイル・ハレド事務局長の指摘によれば、ほかの専門家はクレオパトラ説に賛成していない。顔の特徴が、クレオパトラとして判明しているものと異なるためだ。別の王族女性の彫像である可能性も否定できない。

今回の発掘調査はタップ・オシリス・マグナの歴史的意義を浮き彫りにしたと、観光・考古省は評価している。「後期プトレマイオス朝の建築・文化・儀式慣行の理解を深める上で、極めて重要な成果としてたたえる」

「発掘調査は今後も継続される。(タップ・オシリス・マグナの)神殿の秘密と、クレオパトラ7世の治世との関わりをさらに解明するためだ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 2
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 7
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中