最新記事
考古学

秘密の地下トンネル発見! ミラノ古城下に眠っていた「愛の物語」とは?

Secret Military Tunnels Revealed Under 575-Year-Old Castle

2025年4月3日(木)19時15分
イアン・ランドル(科学担当)
スフォルツァ城

スフォルツァ城と教会を結ぶ通路も城主の喪失感を埋められなかった SAIKO3P/SHUTTERSTOCK

<最新技術で発見されたミラノ古城の地下通路。ダ・ヴィンチの図面にある軍事用トンネルの可能性も。さらに近隣の教会に繋がっているトンネルの意外な使われ方とは...?>

ミラノのスフォルツァ城で中世の要塞の地下に複数の隠し通路が発見された。

城は1358~70年に建設され、1447年の政変で破壊された後、1450年にミラノ公フランチェスコ・スフォルツァが再建を命じた。


1494年にフランチェスコの次男ルドヴィーコが、サン・ピエトロ大聖堂の設計案を描いた建築家のドナト・ブラマンテらを招いて城の装飾を担当させた。いくつかの部屋にフレスコ画を描いたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチだ。

ミラノ工科大学を中心とする研究チームは、地中探査レーダーとレーザー走査を用いて地下の地図を作成。地中から30センチ以上の深さに埋まる通路を発見した。その一部は、ダ・ヴィンチが描いた城内の図面にある軍事用の秘密トンネルかもしれない。

近くのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会につながる秘密通路もあった。出産中に死去した最愛の妻の墓をルドヴィーコがひそかに訪れるためのものだったという。

研究チームは調査データを観光客向けのAR(拡張現実)体験の向上にも活用したいと考えている。調査に参加した建築学者のフランチェスカ・ビオロは、秘密の通路について「さらなる研究のアイデアが湧いてくる」と語る。



ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ポンド下落、英中銀の利下げを確実視

ワールド

米国防権限法案、上院で可決 過去最大の9010億ド

ワールド

米財務長官、FRB議長候補ハセット氏への懸念を「ば

ワールド

ゼレンスキー氏「戦争継続が無意味と示す必要」、同盟
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中