ニュース速報
ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税の影響で5カ月ぶり低水準

2025年05月02日(金)02時50分

米供給管理協会(ISM)が1日発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は一段と低下し、48.7と5カ月ぶりの低水準を付けた。低下は2カ月連続。トランプ米政権が掲げる関税措置で供給網が圧迫され、投入コストが高止まりしている実態が浮き彫りになった。(2025年 ロイター/Charles Mostoller)

[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は一段と低下し、48.7と5カ月ぶりの低水準を付けた。低下は2カ月連続。トランプ米政権が掲げる関税措置で供給網が圧迫され、投入コストが高止まりしている実態が浮き彫りになった。

市場予想は48.0。3月は49.0に低下し、3カ月ぶりに拡大・縮小の分岐点となる50を割り込んでいた。  

<トランプ大統領の保護主義貿易政策の影響鮮明>

今回の統計はトランプ大統領が4月2日に大規模な相互関税措置を発表した後の期間が対象。製造業は輸入原材料に大きく依存しており、全ての業種がトランプ政権が掲げる関税措置に問題があるとの見方を示したほか、一部の業種は関税措置の無秩序な導入方法に懸念を表明。トランプ大統領の保護主義的な貿易政策で製造業が打撃を受けていることが判明した。

ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「対中関税を含む関税措置が近く緩和されたとしても、米国の製造業の縮小は夏にかけて深刻化する」と予想。

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は「関税措置を巡る混乱で(製造業)活動が急激に落ち込んでいるほか、納期が長期化し、在庫が蓄積している」と指摘。「製造業の健全性はPMIの数値が示すよりも悪化している」と述べた。

業種別では、輸送機器、木材、紙製品など6業種が縮小。電気機器・家電、コンピューター・電子製品、機械などを含む11業種は拡大した。

輸送機器メーカーは、輸出入の際の国境通過に時間がかかっていることのほか、関税の算出方法が複雑で完全には理解されていないことなどを挙げ、関税措置で業務が影響を受けていると報告。コンピューター・電子製品メーカーは「中国からの全ての入荷が保留状態にある」とし、「適正な利益率を確保するために必要な価格設定は実現可能ではない」とした。

<納入遅延、支払い価格上昇>

構成指数では、先行指標となる新規受注が47.2と、前月の45.2から改善。前月は2023年5月以来の低水準を付けていた。 

ただ、供給業者の納入ペースは悪化。供給業者の納入を示す指数は55.2。前月は53.5だった。同指数は50を超えると納入が遅延していることを示す。 

納入ペースが鈍化する中、支払い価格指数は69.8と、前月の69.4から上昇し、22年6月以来の高水準を付けた。

雇用指数は46.5と、前月の44.7から改善。拡大・縮小の分岐点となる50はなお下回っているものの、雇用縮小ペースが緩和したことが示された。 

4月は輸入を示す指数が昨年12月以来、初めて低下。関税措置を回避するための輸入の前倒しが続いた兆候はみられなかった。

商務省が前日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.3%減。トランプ大統領が打ち出す関税措置を前に、企業による大量の駆け込み輸入があったことが響き、22年第1・四半期以来のマイナス成長に陥った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

従来の貿易システム「失われた」 WTO事務局長、改

ワールド

ECB総裁、原油供給混乱の長期化を警告 早期正常化

ワールド

イラン、スペインは「国際法順守」 ホルムズ海峡巡る

ワールド

欧州各国とカナダの防衛費、25年に20%増=NAT
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 3
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRANG』に託した想い、全14曲を【徹底分析】
  • 4
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 5
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国…
  • 8
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中