【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラーベ)のルールから2つの派閥、「ダークホース」まで

Who Will Be the New Pope?

2025年4月30日(水)17時50分
テオ・ゼノウ(ジャーナリスト、歴史家)
レイモンド・バーク枢機卿、フランシスコ教皇、ピエトロ・パロリン枢機卿

レイモンド・バーク枢機卿、フランシスコ教皇、ピエトロ・パロリン枢機卿 FRANCO ORIGLIA/GETTY IMAGES/JOE GIDDENSーIPAーZUMAーREUTERS/YARA NARDIーREUTERS

<フランシスコに続くリベラル派か、トランプばりの保守派か、派閥が争う教皇選挙を制し14億信者を率いるのは?──>

使徒座空位(ローマ教皇の不在)はいつまで続くのか。第266代教皇フランシスコは4月21日朝、バチカン市国の自宅で息を引き取った。88歳だった。

本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。2013年3月に中南米出身者として初の教皇となり、コロナ禍直前の19年11月には長崎・広島・東京を訪れて核兵器の廃絶を訴え、「すべてのいのち」を守ろうと呼びかけていた。


2月半ばに重度の肺疾患で入院し、38日で退院したが、医師団によれば入院中に2度の生命の危機があった。

退院後もチャールズ英国王夫妻と面会するなどの公務をこなし、4月20日の復活祭ではサンピエトロ広場を埋める人々に「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、復活祭おめでとう」と呼びかけ、教皇専用車に乗って広場を巡り、手を振って信者たちを祝福した。

人々に寄り添うことを旨とした教皇の、それが最後の務めとなった。

では、死した教皇の後を継ぐのは誰か。ここから先の展開は実にミステリアスだ。後継者は決まっていない。全世界に14億人いるカトリック信者の頂点に立つ者を、どうやって選ぶのか。

信者でない人々にとって参考になるのは、くしくも昨年公開された映画『教皇選挙(Conclave)』だろう(日本では3月20日に公開された)。

【関連記事】20分ごとの急展開に「爆笑」する人も?...映画『教皇選挙』は「B級サスペンス」で「娯楽ミステリー」

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、5対4の僅差 12月利下げの

ビジネス

ユーロ圏小売売上高、9月は前月比0.1%減 予想外

ビジネス

日産、通期純損益予想を再び見送り 4━9月期は22

ビジネス

ドイツ金融監督庁、JPモルガンに過去最大の罰金 5
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 5
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 6
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 7
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 8
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 9
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中