最新記事
中国社会

中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も

China's Economy Faces Rise of 'Rat People'

2025年4月25日(金)16時50分
マイカ・マッカートニー
中国では、若者が次々と「ネズミ人間」になっている

中国では、若者が次々と「ネズミ人間」になっている(写真はイメージ。Generated by AI)

<近年、中国でSNSを中心に目撃される「ネズミ人間」。政府も対策に乗り出しているが、効果があるかは未だ不透明だ>

中国経済に対する逆風や過酷な働き方を求められる風潮が、若者の間で新しいトレンドを生み出している。

2021年頃に流行した、生きるための必要最低限のことしかしない「寝そべり族」の進化系として、努力を拒んで引きこもる自称「ネズミ人間」が中国で増殖しているのだ。

【動画】北京の「ネズミ人間」を追ったドキュメンタリー


世界2位となった中国経済は2010年代、熾烈な競争やアリババ創業者のジャック・マーらが火をつけたITブームに押されて急成長した。そうした中、午前9時から午後9時まで週6日働く「996」と呼ばれる悪名高い働き方が台頭してきた。

しかし現在、中国の若者が置かれている状況は不安定さを増している。賃金は上がらず、生活費は上昇。都市部では16歳から24歳の若者(学生を除く)の3月の失業率が16.5%に達した。

ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)中国研究所の曽鋭生(スティーブ・ツァン)所長は「寝そべり族」や「ネズミ人間」がトレンドになっていることについて、本誌に対し、激しい競争下で多大なプレッシャーにさらされ続ける「高圧環境」から抜け出せないと感じる若者の反抗行動だと語った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米のベネズエラ介入は大惨事招く恐れ、ブラジル大統領

ビジネス

FRB議長候補ハセット氏、インフレ「極めて低水準」

ワールド

サンフランシスコ大規模停電、顧客約11万件で電力復

ワールド

欧州・ウクライナの米提案修正、和平の可能性高めず=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中