「AI」と「脳科学」と「量子コンピューター」がつながる未来...応用脳科学が見据える2050年とは?
第二に、量子科学の分野では「非常に小さな磁気や光を測る技術、特にいわゆる量子センサーが、足元で急激に発達している」という点だ。量子センサーとは、量子力学の原理を応用した超高感度のセンサーのこと。従来のセンサーでは測定できなかったような微弱な信号も、量子センサーなら検出できる。これを脳の測定に応用すれば、脳の活動をこれまでにない精度で捉えることができる。
「この二つが結びつくと、脳の動きをもっと鮮明に捉えることができるようになる」と福永氏は語る。「量子と脳科学は、脳の本当の姿を理解するための強力なカップル、組み合わせだ」と強調した。
政府の具体的な取り組み──ムーンショット型研究開発制度
福永氏は、量子と脳科学の組み合わせがもたらす未来について期待するとともに、政府としてのバックアップ体制を紹介。その1つ、政府の具体的な取り組みとして、野心的な国家目標を達成するための大型研究プログラム「ムーンショット型研究開発制度」がある。
同制度の10個の目標のうち、「ムーンショット目標1」は、2050年までに「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会の実現」を目指している。その一環として、脳に挿入せずに使用できる非侵襲型の高精度なBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)デバイスの開発が進められており、2030年以降の社会実装を目指している。

また、「ムーンショット目標9」では、「心の安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現」と標榜。まさに「ウェルビーイング」の実現を目指している。この研究には、基調講演者の1人山田真希子氏がプロジェクトマネージャーとして参画している。
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