「AI」と「脳科学」と「量子コンピューター」がつながる未来...応用脳科学が見据える2050年とは?
しかし福永氏が強調したのは、さらにその先にある「次のフロンティア」で、それこそ「まさにブレインテックだという。ブレインテックは脳科学を応用したテクノロジー領域であり、「今、アメリカもヨーロッパも中国も韓国もインドも、共通して力を入れている」と指摘した。
世界各国で進められているのは、脳の全体像を可視化したり、「デジタルツイン(デジタル上の双子)」を作ったり、あるいは脳型コンピューターを開発したりする研究だ。「AI、量子技術に加えて、脳科学が戦略的技術として融合している。こうした世界の動きに、日本も負けられない」。福永氏の言葉には、強い決意がにじんでいた。

量子の「不思議」が脳の「神秘」を解く鍵
福永氏は、自身の理解を率直に語った。「私自身、先ほどの岩本代表理事の話と同じで、原理を理解するのはなかなか大変な世界を担当している」と前置きした上で、「非常に不思議な量子科学の仕組みについて伺うにつけ、脳を含めた人間の体の神秘は、おそらく0と1の(二進法の世界の)デジタル技術だけでは分からないのではないか」と日々の業務の中で感じている直感を吐露した。同時に「量子科学が非常に有効になってくるだろうと、直感的に感じている」
この直感は、科学的根拠に基づいたものというより、むしろ現場の実感から来るものだろう。AIがどれほど進化しても、人間の脳が持つ柔軟性や創造性には及ばない。その「何か」を理解するためには、従来とは異なる視点──量子力学という視点──が必要なのではないか。
量子センサーが切り拓く新しい脳科学
福永氏は、脳科学の現状について二つの重要な進展を指摘した。
第一に、「脳の動きを把握する技術と、それを解析するAIが進歩することで、人がどう考えているのか、あるいは脳がどう疲れているのかを細かく理解できるようになり始めている」という点だ。
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