コラム

党員・都民として言う、民進党と小池さんには失望している

2017年10月19日(木)12時45分

立憲民主党から出馬している海江田万里さんと筆者(写真提供:筆者)

<民進党の党員であり、さらには小池塾に以前「排除」された1人として、総選挙の投票を前にひとこと言いたい>

こんにちは、新宿案内人の李小牧です。

最近、私は忙しい日々を送っている。日本の総選挙が始まったためだ。もっとも、私が出馬したわけではない。

私は2015年4月の新宿区議選に民主党(当時)の推薦を得て立候補したのだが、選挙の前年、私を民主党に誘ってくれたのが海江田万里さんだった。海江田さんは今回、東京1区に出馬している。私を政治の道に導いてくれた恩師を助けるべく、ビラ配りなど雑事を担う一兵卒のボランティアとして働いている。

lee171019-2.jpg

ボランティアとして、有権者に配布するビラに1枚1枚「証紙」と呼ばれるシールを貼る作業も行った(写真提供:筆者)

それにしても不思議な選挙だ。私が海江田さんを支援しているのはあくまで個人的関係である。というのも私は民進党員、そして海江田さんは立憲民主党の公認候補だからだ(民進党の党籍も残ってはいるはずだが)。

皆さんもご存じの通り、われらが前原誠司党代表の自爆的決断によって、民進党は今回の総選挙に1人も推薦を出していない。最大野党だったはずが、気づけば希望の党への合流組、立憲民主党立ち上げ組、無所属組と散り散りになって苦しい選挙戦を戦っている。

美男美女で外面はいいが、中身がない民進党代表

本音を話そう。私は民進党代表選の時点で、すでに民進党には何の希望も持てなくなっていた。前原氏が代表選勝利を決めた9月1日、私は中国語SNSに次のように書き込んでいる。

「日本最大野党の民進党が代表選挙を行った。前原誠司氏が党代表に選出された。彼のイメージは確かに素晴らしい。ただし、彼は右傾化した機会主義者だ。彼がリーダーでは我が党は近い将来野党第1党どころか、2番手の地位すら保てないのではないか!? 我が党には将の器がいないのだ! 申し訳ない。私は離党を考えている。天馬のように自由に飛び回りたいのだ......」

よもや前原氏が自爆的な希望の党合流を決断するとまでは予想はできなかったが、政治理念を持たず、ただ実利だけを追う機会主義者(日和見主義者、オポチュニスト)の前原氏をトップにしても、党勢が挽回できるとは思えなかった。

そう、今の民進党には政治理念がない。前原氏、そして前代表の蓮舫氏は、美男美女で外面はいいが、中身がないのだ(蓮舫氏に対しても、新代表に選出されたときに私は「辞任するべきだ」とコラムを書いた)。

自民党に対抗できる政治理念を打ち出さなければ野党の意味はないと私は考えている。党員の私にさえ、民進党がどこを目指しているのかがさっぱり伝わってこなかった。

プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人・失業率4.6

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story