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「孫子の兵法」に学ぶ、詐欺を見抜くための2つの方法 大切なのは「主導権」を握らせないこと
もっとも、「孫子の兵法」が孫武のものであるかどうか疑わしいとする見方も強かった。何しろ日本で言えば弥生時代の書物である。歴史解釈に疑義が挟まれて当然だ。しかし、1972年に、山東省の銀雀山にある漢の時代の軍人の墓から、「孫子の兵法」が記された竹簡(ちくかん、細長い竹の板)が出土した。建設工事中に偶然、2000年ぶりにその姿を見せたのだ。
発掘された大量の竹簡の中には、二人の孫子の兵法書が含まれていた。呉の孫子と斉の孫子(孫武の子孫)のものだ。このうち、斉の孫子の兵法書は、初めて目にするものだった。ということは、今に伝わる孫子の兵法書は、呉の孫子(孫武)のものということになる。こうして、「孫子の兵法」をめぐる憶測に終止符が打たれたのである。
「孫子の兵法」は、紙が発明される前に書かれたにもかかわらず、曹操、吉備真備、武田信玄、ナポレオン・ボナパルト、吉田松陰、東郷平八郎、毛沢東だけでなく、現代のビジネスマンやスポーツマンも、戦略的思考のバイブルとして愛読している。したがって、この不朽の名作は、防犯を考える際にも、貴重な指針となるに違いない。
日本では「戦うごとに必ず危うし」状態
「孫子の兵法」で最もよく知られたフレーズは、「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず(相手を熟知し、自分を熟知していれば、何度戦っても危険はない)」であろう。敵と味方の戦力や戦意について、的確な情報を収集し、正確に分析し、客観的に比較することの重要性を説く言葉だ。
なぜこれが重要なのか。それは、敵軍と自軍の物理的・心理的な実態を把握できれば、戦争の勝敗を予測できるからである。予測できるからこそ、敗北という危険も回避できるわけだ。孫子が、「百戦百勝」ではなく、「百戦危うからず」と言っている意味もそこにある。「彼を知り己を知る」のは、予測の精度を上げるために必要なことなのだ。
ところが、日本の防犯対策においては、相手と自分を知ることがおろそかにされている。孫子の言葉を借りるなら、「彼を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ず危うし」という状態だ。
例えば、敵を「不審者」と呼んでいること。それで防犯になっていると人々は思い込んでいる。しかし、「どうやって不審者を見分けるのか」と問われれば、だれも答えられない。これでは、犯罪の予測などできるはずがない。
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