コラム

最年少か、初の女性か、実務の双璧か...自民党総裁選を制する「3つの力」で検証

2025年09月24日(水)18時39分

しかし24年以降、わが国でもSNSの動向がリアルの投票行動を左右する変化が生じている。SNSにおけるサイバーカスケード(ネット上の特定意見が雪崩的に大きな流れをつくる現象)を利用し、世論を引き寄せる手法もある。1回目の党員票で勝負を決したい高市陣営にとっても、SNS戦略は特に重要となる。

総理総裁としての適格性・人間性は総裁選以前からの言動を踏まえて理解されるものだが、選挙中の広報によるイメージ形成も重要だ。

茂木氏は明晰な頭脳でクイズに答える姿や料理姿、小林氏は盆踊り、林氏はピアノ演奏をアピールする動画配信がよく見られているが、44歳の小泉氏は就任すれば初代首相・伊藤博文と並ぶ「最年少宰相」、高市氏は「史上初の女性宰相」になるという圧倒的な話題性がある点で優位に立つ。

小泉氏はその上、配偶者の滝川クリステル氏の知名度も高い。


前回の総裁選は、1回目の投票で高市氏が首位に立ったが過半数を超えず、国会議員票の比重を高めた決選投票で石破氏が逆転勝利を収めた。

この番狂わせは確かに自民党のダイナミズムを表すものであったが、同時に、その後の2度にわたる国政選挙敗北で、かつてないほど自民党を弱体化させるという予期せざる結果をもたらした。

この1年で急速に進んだ民意の分断は、わが国における民主政の土台を切り崩している。これから選ばれる新総裁は自民党復興の先頭に立つだけではなく、日本政治再生の重責も担うことになる。

プロフィール

北島 純

社会構想⼤学院⼤学教授
東京⼤学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、現在、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹及び経営倫理実践研究センター(BERC)主任研究員を兼務。専門は政治過程論、コンプライアンス、情報戦略。最近の論考に「伝統文化の「盗用」と文化デューデリジェンス ―広告をはじめとする表現活動において「文化の盗用」非難が惹起される蓋然性を事前精査する基準定立の試み―」(社会構想研究第4巻1号、2022)等がある。
Twitter: @kitajimajun

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