コラム

イスラエルの「ハマス掃討作戦」でパレスチナは地図から抹消へ? 英国による「国家承認」の重要性

2025年09月24日(水)17時12分
パレスチナ国家をイギリスが承認した意味

ロンドンで会談したスターマー英首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長(9月9日) Jack Taylor-Reuters

<パレスチナ問題の遠因とされるバルフォア宣言についてスターマー英首相は「非ユダヤ人住民の権利を損なう行為は許されないとも明記している」と正当化>

[ロンドン発]史上初の「二度目の国賓」という破格の待遇でドナルド・トランプ米大統領の訪英を歓迎したばかりの英国のキア・スターマー首相が9月21日、「150カ国以上がパレスチナ国家を承認していることに英国も加わる」とパレスチナを国家として正式承認した。

スターマー氏は「パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスは残忍なテロ組織。二国家解決策はハマスへの報酬ではない。数週間以内にハマスの主要人物に制裁を加える。より良い未来がパレスチナ、イスラエル両国民に到来することを約束する」と強調した。

ハマスが運営するガザ保健省によると、ガザでの死者は6万5千人を超えた。

ガザで大規模な軍事作戦を続けるイスラエルに対し、スターマー氏は「十分な支援物資がガザに届いていない。破壊と飢餓を見逃せない。不当な国境封鎖措置を撤廃し、非人道的行為を中止し、大量の支援物資が届くよう措置を講じるよう」求めた。

パレスチナ問題の遠因とされる1917年のバルフォア宣言

スターマー氏はパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長宛ての書簡でパレスチナ問題の遠因とされる1917年のバルフォア宣言を「ユダヤ人国家建設を支援すると約束したが、非ユダヤ人住民の市民的・宗教的権利を損なう行為は許されないとも明記している」と正当化した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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