コラム

英国に協力するアフガン人データを、英国防省が大量漏洩...タリバンは数万人の「殺害リスト」所持か

2025年07月16日(水)18時15分
イギリス国防省がアフガン人の個人情報漏洩

首都カブール市内をパトロールするタリバンのメンバーたち(2021年12月) Jorge Silva-Reuters

<2021年の「カブール陥落」の6カ月後に、英国防省職員がアフガニスタンの協力者1万人以上の個人情報を誤ってメール送信するという漏洩事件が起きていた>

[ロンドン発]2022年2月、英国防省職員が、イスラム主義組織タリバンからの庇護を求めるアフガニスタン人協力者1万8714人とその家族らのデータを間違ってアフガンの連絡先に送信、さらにそれが転送されるという前代未聞の漏洩事件が起きていたことが明らかになった。

ジョン・ヒーリー国防相は7月15日、下院で「ベン・ウォレス国防相(当時)がアフガン人再定住・支援策を発表してから10カ月後、カブール陥落から6カ月後、ある国防省職員が再定住・支援策のファイルを政府公認システム外の電子メールで送信した」と公表した。

データ漏洩を受け、英高等法院は情報の公表を阻止した上、差し止めが存在することさえ報道できない「超差し止め」命令を出した。前保守党政権は極秘裏に協力者の再定住ルートを確立したが、ヒーリー国防相は司法による差し止め解除と再定住ルートの閉鎖を発表した。

タリバンが3万3000人の「殺害リスト」を持っている

英大衆紙デーリー・メールによると、23年8月「匿名会員」を名乗るアフガン人がFacebookで協力者のデータを所有していると自慢し、9人のデータを公開した。パニックに陥った英当局は個人情報が漏洩した可能性があると協力者1800人に伝えた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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