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「欧州で最も危険な女」ジョルジャ・メローニとは? イタリア初の女性首相誕生へ
「イタリアの同胞」はネオファシスト政党「イタリア社会運動」の直接の政治的後継者だ。メローニ氏はしかし「ムッソリーニはいくつかの過ちを犯した。歴史的に彼はまた多くのものを生み出したが、それで救われるわけではない」と一線を引き、党の「脱悪魔化」を進めてきた。しかし地元ジャーナリストは支持者には極右がまだまだたくさんいると指摘する。
独週刊誌シュテルンはメローニ氏について民主主義を脅かす「欧州で最も危険な女」との懸念を示した。右派連合のベルルスコーニ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領に近く、サルビーニ氏とメローニ氏もかつてプーチン氏を称賛した。しかしメローニ氏はウクライナ支援で北大西洋条約機構(NATO)の枠組みを維持する方針を示している。
政治腐敗がポピュリズムの「フォルツァ・イタリア」を産み落とし、経済の長期低迷が「五つ星運動」を、難民危機が「同盟」を躍進させた。もう極右と右派の区別はつきにくくなった。未曾有のコロナ危機、エネルギー危機、インフレ高進による生活困窮が右派の女性首相を誕生させようとしている。
生活困窮を解消しようとすれば大規模な財政出動が必要だ。イタリアの長期金利はすでに4.15%(ベンチマークのドイツは1.96%)にハネ上がる。メローニ氏が財政措置について欧州連合(EU)を説得できなければ、右派連合で内輪もめが起きるのもそう遠くはないだろう。
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