医薬品への「トランプ関税」には、これまでとは全く違う意味が...産業保護ではない「狙い」とは?
DADO RUVIC/ILLUSTRATION-REUTERS
<日米が相互関税15%で合意したとはいえ、最終的な着地点はまだ見えていないトランプ関税。医薬品や銅などへの関税には、これまでより大きな意味と影響が見え隠れする>
米トランプ政権が、国外から輸入する医薬品や医薬品の原料に対して200%という極めて高い関税をかける方針を表明した。薬だけでなく銅や銅関連製品などにも50%の関税が課される可能性が高い。
トランプ政権は自国産業保護の観点から、各国に対して相互関税を課す方針を表明しており、分野によっては、さらに高い関税が上乗せされる。日本を含むアメリカとの貿易相手国は関税の引き下げ交渉を進めているが、最終的な着地点はまだ見えていない。
これまでの対米貿易交渉は、自国産業を保護したいアメリカと同国市場で利益を上げたい各国のせめぎ合いという、あくまで経済面での交渉というニュアンスが強かった。
だが今回、トランプ政権が医薬品や銅について極めて高い関税を課す方針を示したことで、関税の持つニュアンスが変わり始めた。特に医薬品は、その象徴と言ってよいだろう。
説明するまでもなく、アメリカの製薬業界は世界でもトップレベルの競争力を持っており、日本など競争力の低い国は、重篤な疾患に用いる薬の多くをアメリカから輸入している。産業政策として医薬品を保護する必要がないにもかかわらず、アメリカ政府が高関税をかけることの背景には安全保障上の目的があると考えられる。
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