コラム

若者がクルマを買わなくなった原因は、ライフスタイルの変化より断然「お金」

2016年04月27日(水)17時22分

 世界的な経済学者で先日、安倍首相とも会談を行ったジョセフ・スティグリッツ教授は、新しい経済環境下では、同じ経済成長を実現するために必要な設備投資の額が小さくなってしまい、これが需要不足をもたらすと指摘している

 つまり、シェアリング・エコノミーが発達すると、経済成長に必要な資源がより少なくて済むため、一時的にはマイナスの影響を及ぼしてしまうという話である。こうした新しい経済メカニズムが顕在化するのは、むしろこれからが本番と考えた方がよいだろう。

 これまで若者がクルマを敬遠してきた理由が主にコストということであれば、クルマそのものを必要としなくなるというライフスタイルの変化が本格化することで、さらに販売台数が減少する可能性がある。今回の調査では「カーシェアリングで十分」という回答はごくわずかだった。この回答の割合が将来、劇的に高まってくるのだとすると、クルマは完全に嗜好品という位置付けに変わってしまうのかもしれない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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