コラム

高市首相は「積極財政、減税」を実現できるか...「障壁」「キーパーソン」「残された手段」は?

2025年10月30日(木)17時23分
高市早苗首相は積極財政を実行できるか

KIYOSHI OTAーPOOLーREUTERS

<日本維新の会との連立政権であり、麻生太郎氏の影響力が強いとされる高市政権の運営は厳しいものになりそうだが、その中で注目すべきポイントを解説>

衆参両院は2025年10月21日に行われた首相指名選挙で、自民党の高市早苗総裁を首相に選出した。高市政権は日本維新の会との連立政権となるが、維新側から閣僚は出さず、政策協定に基づいて政権運営を支援する「閣外協力」にとどまる。

連立政権とはいえ、維新側は事実上のフリーハンドであり、今後の政権運営は厳しいものにならざるを得ないだろう。

高市氏は、自民党の総裁選において決選投票の末、小泉進次郎農水相(当時)を破って総裁に選出された。当初、維新側は小泉氏が総裁になることを前提に連立政権への参加を検討しており、高市氏は国民民主党との連立を模索することになった。だが最終的には閣外協力という限定的な形式での維新との連立に落ち着いた。


新内閣の顔触れを見ると、財務相に片山さつき元地方創生担当相、外相に茂木敏充元幹事長、総務相に林芳正前官房長官、経産相に赤沢亮正前経済再生担当相、防衛相に小泉進次郎氏を充てるなど、片山氏と茂木氏を除き、派閥の均衡を重視した布陣となっており、あまり独自色は出せていない。

高市氏は総裁選において麻生太郎氏を後ろ盾としており、麻生氏は副総裁に、麻生氏に近い鈴木俊一氏は幹事長の要職に就いた。高市氏の持論である積極財政や減税などを実現するには、慎重な麻生氏らを説得する必要があり、ハードルは高い。カギを握るのは財務省出身の片山氏だろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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