高市首相は「積極財政、減税」を実現できるか...「障壁」「キーパーソン」「残された手段」は?
2025年10月30日(木)17時23分
片山氏による調整が成功すれば、次の障壁になるのは......
片山氏は財務省から政界に転じた経緯があり、生粋の財務官僚である一方、高市氏の推薦人でもあり、同氏の政策を支える立場にある。片山氏が各方面の利害をうまく調整できればある程度、道筋が見えてくるかもしれないが、次の障壁となるのは市場である。
高市氏が総裁に選ばれた直後に為替市場で急速に円安が進んだことからも分かるように、「高市積極財政」が実施された場合、円安とインフレが加速することは市場関係者の間では大前提になっている。
インフレが進んでいる時に積極財政を実施すれば物価高に拍車がかかることは、どの経済学の教科書にも書いてあるイロハであり、そうなると国民生活はますます苦しくなる。
インフレ下で積極財政を選択するということは、物価抑制策は放棄することと同義であり、激しくなるインフレを上回る賃上げを実現できない限り、国民からの支持を持続するのは難しくなる。
仮にインフレが進んだ場合、経済面だけで国民の支持をつなぎ留めるのは難しい。同氏に残された手段は、もう一つの顔である保守を前面に出すという戦略である。
プロフィール






