コラム

高市首相は「積極財政、減税」を実現できるか...「障壁」「キーパーソン」「残された手段」は?

2025年10月30日(木)17時23分

参政党に流れた保守層を呼び戻せるか

維新はもともと保守的な政党だったが、今回、締結された自民との連立政権合意書を見ると、憲法や皇室、家族制度などの分野において、より保守色の濃い内容が盛り込まれた。これらを前面に出すことによって参政党などに流れた強固な保守層を呼び戻し、支持基盤として取り込む可能性はそれなりに高い。

一方で、積極財政路線を放棄したと見なされることは避けたいはずであり、そうなるとズルズルと拡張的財政が続くシナリオも考えられる。当面の注目ポイントとしては、高市政権に市場がどう反応し、国民最大の関心事である物価高とその対策がどう推移するのか、政権がどれほど保守色を出してくるのかといったあたりになるだろう。


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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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