コラム

アメリカが経済協力から撤退した今、日本が世界のODAで旗を振れ

2025年05月27日(火)14時30分

日本はイニシアチブを取るべき

ODAと言えば、「無駄だ。やめろ」「日本の輸出につながっていない」という批判が多い。だが、前記の現場が示すようにODAは必要だし、日本と相手国の双方の役に立っている。米議会でも「経済協力という外交の重要な柱を捨てていいのか」という声が、ルビオ国務長官に投げかけられた。

24年、日本はODA供与額でドイツ、イギリスの後塵を拝する。25年度予算は5664億円(97年には約1兆2000億円)。しかし、以前供与した巨額の円借款から毎年返済されてくる分を回して、計170億ドル(約2兆5000億円、24年)ほどのODAを供与している。JICAをはじめ、日本が擁する人材、メカニズムは世界に誇るべきもので、USAIDの解体を機に、日本はODAの再活性化に向け世界でイニシアチブを取るべきだ。


折しも、世界は大きく変化している。多くの途上国は発展して、昔流の「経済援助」を必要としている国は少なくなった。その中で何が本当に必要なのか。まず災害時の支援要員・資材の確保。それは、日本国内の災害時にも投入できる。

次に資本、技術、企業経営のノウハウ(会計、人事、組織運営)や、勤労精神の普及、アカウンタビリティー原則の周知がある。これが一番の問題で、実際に効くのは座学ではなく日本企業の直接投資なのだが、企業は、何かを作っても市場が小さく利益率の低い地域には出ていかない。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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