- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 政治改革を「いかにもそれやらなそう」な政党がやると…
政治改革を「いかにもそれやらなそう」な政党がやるとどうなるか
例えば、肥満関連の病気や、リスクの高い人をより的確にスクリーニングできていれば早期に発見できたであろう癌などにおいて、医者にかかるほど重くなるのを待つよりも、初期の段階で予防に取り組む方がはるかに費用対効果は高い、などといった発想の転換だ。
同様に、労働党はヒースロー空港に第3滑走路を建設することを支持している。これは何年も議論されてきたが、ネットゼロ目標や(騒音や大気汚染といった)環境への影響を懸念して、保守党は尻込みしていた。
でも今、左派で、より環境に熱心だとされている政党が、航空拡大によってより大胆な経済成長を図るという目標に力強く取り組んでいる。
一方、こちらはもっと小規模ながら意義ある例なのだが、労働党はオックスフォード大学とケンブリッジ大学の「成長回廊」の創設についても話を進めている。新たなインフラを支援し、権威ある2つの大学・研究ハブを結ぶ鉄道路線を建設することでイギリスのテックバレーを作り上げられるのではないかという構想だ。
これが保守党だったら、イギリスで最も裕福な地域の1つにさらにカネを落とすように見られるんじゃないか(「まるで裕福な南東部地域に政府の支援が必要だとでも言うように!」)、そして保守党の地盤だからこそバラマキをしているように思われるんじゃないか、と警戒して尻込みしていたことだろう。
その上、保守党はみんな上流オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)の卒業生だと誰もが思っているので、税金を母校に流用していると人々から冷笑されるに違いない。
だから皮肉にも、保守党は政権時代に「レベリングアップ」(貧しい地域の経済改善)や「北部パワーハウス構想」(マンチェスターやリバプール、リーズ、シェフィールドなどイングランド北部都市群をロンドン一極支配に匹敵できるよう底上げする試み)を推進した。
ところが今や、財相を務めるのは労働党のレイチェル・リーブスで、より力強い経済成長を達成するためには勝者を後押しするべきだと事実上主張しているのだ。

アマゾンに飛びます
2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
イギリスのパブで偶然出会った日本語ペラペラのイングランド人...さらに驚いた偶然は? 2025.07.19
イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる? 2025.07.12
ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知られざるイギリスのビール事情 2025.07.05
築150年の家に住むと何が起こるのか...ビクトリア朝時代の住宅の窓をめぐる苦労 2025.06.26
住宅足りなすぎ高すぎで買えない問題と、それでも田園地帯をつぶしたくないイギリス人 2025.06.19
英首相邸への放火はロシアの危険な新局面? いや、「原点回帰」だ 2025.06.04
僕とクソダサいマイカップの抱腹絶倒で数奇な運命 2025.05.31
-
大手外資系金融テクノロジー企業の受付 未経験OK・想定年収364万円~/東京 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員
-
テレワークあり 外資系サーバー 構成見積支援業務 神保町駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
年休120日 土日祝休み 外資系金融企業の本社受付@港区/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~34万円
- 正社員
-
外資系企業のファシリティコーディネーター 未経験OK・将来の幹部候補/都内 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~36万円
- 正社員