コラム

見過ごされていたイスラム原理主義者によるテロ攻撃の兆候

2020年01月08日(水)19時10分

フロリダやパリの例が示すように、そうしたイスラム原理主義者が攻撃を実行する前には、多くの場合、さまざまな兆候が確認される。それらは発言の内容、服装、異性に対する態度の変化の中に表れることが多い。

多文化・多宗教共生社会を生きる私たちにとって必要なのは、そういった変化を重要なシグナルとして受け止め、犯罪の発生を未然に防ぐことのできる体制を構築することである。そのためには、イスラム教徒であるか否かにかかわらず、平和的な共存を望む全ての市民が協力していくことが何よりも重要だ。

過去の事例を教訓とし未来の安全につなげることができるかどうかは、私たち自身の手に懸かっている。

<本誌2020年1月14日号掲載>

【関連記事】『鬼滅の刃』のイスラム教「音声使用」が完全アウトの理由

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2020年1月14日号(1月7日発売)は「台湾のこれから」特集。1月11日の総統選で蔡英文が再選すれば、中国はさらなる強硬姿勢に? 「香港化」する台湾、習近平の次なるシナリオ、日本が備えるべき難民クライシスなど、深層をレポートする。

プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。麗澤大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『中東問題再考』(扶桑社BOOKS新書)。

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