コラム

静かに進む「デジタル植民地化」──なぜ日本はデジタル主権を語らないのか

2025年11月28日(金)12時26分

日本でデジタル主権が政治の課題にならない理由

最後にあくまで個人的な感触であるが、日本でデジタル主権がたいして話題にならない理由について考えてみたい。

最終的には専門家である方々のご意見を待つしかないが、個人的にはそもそも日本には権利や義務といった概念そのものが定着していないように感じる。ある政治家の「国民主権というのがおかしいんですよ」という発言が炎上したことがある。

さらにその政治家の弁明の動画を公開したが、そこでははっきりと天賦人権説を否定しながらも国民主権を否定したわけではないという主張を行っていた。浅学非才な筆者には理解できなかったが、少なくともこうした問題を考える時によく参照される世界人権宣言を否定していることはわかった。その政治家がいまも議員を続けているところをみると、主権という概念が理解されていない可能性がありそうだ。

とはいえ、もっとも大きな理由はデジタルの領域において日本がEUなどよりもさらに遅れているせいだろう。このままだと日本でデジタル主権が話題になることはなく、日本人が気づかぬうちに静かに植民地化されていきそうだ。

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プロフィール

一田和樹

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)『ネット世論操作とデジタル影響工作』(共著、原書房)など著作多数。X(旧ツイッター)。明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。新領域安全保障研究所。

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