東南アジアの洪水、死者161人に 救助・復旧活動急ぐ
写真は27日、インドネシア・アチェ州ムレウドゥの洪水被害現場でドローンより撮影。REUTERS/Hidayatullah Tajuddin
[ジャカルタ/バンコク 28日 ロイター] - 東南アジアの広範囲で発生した洪水による死者は、28日までに少なくとも161人に達した。水位は徐々に下がり始めており、当局は孤立した住民の救助や電力・通信の復旧を急いでいる。
インドネシア、マレーシア、タイでは、広範囲にわたってサイクロンによる豪雨が1週間続いた。マラッカ海峡では珍しい熱帯低気圧が発生。当局の発表によると、スリランカでも、サイクロンにより46人が死亡した。
インドネシア国家災害対策庁は、被害の大きかったスマトラ島で28日午前までに72人の死亡が確認されたと発表。22人が死亡したスマトラ島パダン・パリアマン県では、水位が少なくとも1メートルに達し、住民の救助が遅れている。自宅の2階に避難したある住民は「物資や食料が底をつき始めている」と述べた。
スマトラ島の一部地域では依然として通信が途絶えており、当局は電力や道路の復旧作業を進めている。28日も被災地への援助物資と救助隊の空輸を継続する。
タイ政府によると、同国では南部8県で87人が洪水で死亡した。被災者は350万人以上。最も被害の大きかった南部ハートヤイでは、雨が止んだものの、まだ足首まで水に浸かる状態で、停電も続いている。
マレーシアでは2人の死亡が確認された。熱帯低気圧「セニャール」は上陸後、勢力を弱めているが、気象当局は引き続き大雨や強風への警戒を呼びかけている。避難民は3万人で、前日の3万4000人超から減少した。
マレーシア外務省によると、隣国タイのホテルで足止めされていたマレーシア人1459人はすでに救助され、残る300人の救出を目指す。





