- HOME
- コラム
- デジタル権威主義とネット世論操作
- 中国政府が世界各国からデータを入手する3つの手法と…
中国政府が世界各国からデータを入手する3つの手法とは...

中国はデータを戦略資源と位置づけ、さまざまな手段を用いて収集してきていた...... REUTERS/Florence Lo
<中国政府はさまざまな方法で世界各国からデータを入手しているが、大きく3つの手法を用いている......>
中国は世界各国から技術などの貴重な情報をさまざまな方法で入手している。なぜかあまり話題にならないのが、データ移転=データ・トラフィッキングである。ZOOMやTikTokの内容が中国当局に漏れていたことは有名だ(NW過去記事)。
日本ではLINEのデータが中国当局に閲覧可能であることが暴露された。そもそも中国当局は2017年の国家情報法によって中国当局は必要に応じて個人や企業などの保有するデータを入手することが可能になっている。中国国内にデータがあることが漏洩する可能性を意味している。ZOOMやTikTok、LINEはあくまで氷山の一角にすぎないのだ。それにもかかわらず、アメリカは中国へのデータ流出を防ぐための有効な対策を持っていない。
中国政府はさまざまな方法で世界各国からデータを入手している。特にアメリカはターゲットになっている。アメリカは構造的なデータ安全保障上の深刻な脆弱性を抱えているためにつけ込みやすい。その範囲は、SNSに留まらず金融、農業、ゲーム、家電、医療から宇宙までにおよんでいる。そして、それらを組み合わせて軍民で活用するとともに、AI学習用のデータセットとしても利用している。
中国の3つの手法──製品・サービ経由、出資・買収、中国市場からの圧力
アメリカに対して中国がデータ安全保障上の優位に立っていることを暴いた『Trafficking Data: How China Is Winning the Battle for Digital Sovereignty』(Aynne Kokas)が話題となっている。本書では、中国がアメリカに対して大きく3つの手法を用いていることを紹介している。製品・サービス経由、出資・買収、中国市場からの圧力である。
ZOOMやTikTokの事例は製品・サービス経由でのデータ取得である。日本でも利用者のいるiHealth、Mi Fit(Xiaomi)、Yoho Sports といったフィットネストラッカーのすべてのデータは中国のサーバーに保存されており、国家情報法に基づいて中国政府はこれらのデータを取得することができる。同じく日本でも販売されているHaier社の家電製品はBaiduのスマートIoTプラットフォームを利用し、データを収集している。また、スマートフォン経由で行われるためスマートフォンの情報も収集される。これらの商品は日本でもアメリカでもごく当たり前に購入し、利用されている。
Beijing Genomics Institute(BGI)はバイオラボを世界18カ国、58箇所保有し、検査データを蓄積している。コロナ禍でBGIは世界180カ国で3,500万人のコロナ検査を実施した。日本にもそのラボは存在する。
日本でも有名な中国企業AnkerのスマートホームブランドEufyは、ヘルストラッカーEufyLifeやセキュリティシステムEufyCamを提供。EufyCamは監視内容や時間などのデータを収集。スマホからも情報も収集している。EufyCamはMeta、グーグル、Amazonからリンクする情報を収集している。
中国国営企業ChemChinaは北米で大きなシェアを持つ農業関連管理システムAgriEdge(スイス)を買収。衛星とドローンを使ったデータ収集システムを手に入れた。世界最大のLGBTQ+コミュニティGrindrを中国企業Kunlun Tech Coが買収したことにより、このコミュニティのデータが中国当局にわたるリスクが生じている。中国製品やサービスは幅広く利用されており、ひとつひとつ数え上げるときりがない。
認知戦で狙われているのは誰なのか?──影響工作の本当の標的 2025.09.03
民主主義をむしばむ「ハイブリッド脅威」──今そこにある見えない戦争 2025.07.25
「AIファクトチェック」はもはや幻想? 非常時に裏切るチャットボットの正体 2025.07.08
アメリカ発「陰謀論が主流に」──民主主義と情報の未来、日本は対岸の火事か? 2025.06.02
「騙されるAI」0.001%の誤情報の混入で誤った回答を導く巨大な罠 2025.05.05
トランプ政権下での言葉狩りで「過去の歴史は改ざん」...アメリカの新しい現実を理解しよう 2025.04.08
「2度の総選挙への干渉を経験」カナダの調査委員会が提示した偽・誤情報対策の衝撃 2025.02.21
-
外資系企業の総務アシスタント 未経験歓迎 土日祝休み 港区 20代・30代活躍中/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給20万円~23万5,000円
- 正社員
-
外資系投資銀行のオフィス受付 想定年収322万円~・未経験可・土日祝休み/東京/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~30万円
- 正社員
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
人事マネージャー候補/外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収750万円~950万円
- 正社員