ニュース速報
ワールド

米石油業界、アラスカ開発拡大の公算小さく トランプ氏の掘削促進でも

2025年01月24日(金)10時32分

 1月23日、米エネルギー業界幹部らはロイターに対し、トランプ大統領が石油・ガス開発事業を拡大する大統領令に署名したものの、国内の石油・ガス企業がアラスカ州と北極圏で開発事業を拡大する公算は小さいと明らかにした。写真はボフォート海で撮影。2005年撮影(2025年 ロイター/U.S. Fish and Wildlife Service)

Sheila Dang

[ヒューストン/ワシントン 23日 ロイター] - 米エネルギー業界幹部らはロイターに対し、トランプ大統領が石油・ガス開発事業を拡大する大統領令に署名したものの、国内の石油・ガス企業がアラスカ州と北極圏で開発事業を拡大する公算は小さいと明らかにした。将来の大統領がトランプ氏の政策を容易に覆す可能性があるためだという。

トランプ氏の大統領令により、北極圏を含む広大な開発用地が再び採掘に開放され、事業が迅速に許可されるとみられている。

米石油協会(API)のダスティン・マイヤーズ氏(政策担当幹部)は「次の大統領選後にこれら開発地域が再び閉鎖されるリスクは常に残っている」と懸念を表明。それにより、採掘事業を手掛ける石油企業の関心が低下する可能性があると指摘した。

米石油大手関係者は、多くの企業がトランプ氏の大統領令だけに基づいてアラスカ州での開発事業を遂行する可能性は低く、議会での決議採択など長期的な確実性を求めていると語った。

エネルギー調査会社ライスタッドは、トランプ氏が就任演説で「(石油を)掘って掘って掘りまくれ」と主張したエネルギー政策は、株主還元より成長を優先する業界の姿勢を過大評価していると分析した。

APIのマイヤーズ氏は、それでもなおエネルギー業界は「慎重ながらも楽観している」と指摘。トランプ政権下では、石油・ガス開発事業を阻んできた規制の緩和が継続されると予想した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

「貿易システムが崩壊危機」と国連事務総長、途上国へ

ワールド

欧州委、中国のレアアース規制に対抗措置検討─経済担

ワールド

米軍、麻薬密売船を攻撃か 南米太平洋側では初

ワールド

米、対中報復措置を検討 米製ソフト使用製品の輸出制
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    やっぱり王様になりたい!ホワイトハウスの一部を破…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中