アストラゼネカ、米で500億ドル投資へ 医薬品関税迫る中

7月21日、英製薬大手アストラゼネカは米国での生産・研究能力拡張に向けて2030年までに500億ドルを投資する計画を発表した。写真は同社のロと従業員ら。メリーランド州ロックビルで5月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
Maggie Fick Ahmed Aboulenein
[ワシントン 21日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカは21日、米国での生産・研究能力拡張に向けて2030年までに500億ドルを投資する計画を発表した。トランプ米政権が医薬品に関税を課す方針を示す中、製薬会社の間で大型投資を表明する動きが出ている。
アストラゼネカはバージニア州に医薬品製造施設を新設するほか、メリーランド州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、インディアナ州、テキサス州で研究開発(R&D)と細胞療法の製造拠点を拡大する。
また、米国における臨床試験(治験)提供網を強化し、新薬への継続的な投資を支援する。
同社は事業拡張について、30年までに年間売上高800億ドルを実現するという目標達成に寄与すると説明した。
投資計画はパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)がワシントンで発表した。
ラトニック米商務長官はアストラゼネカが発表した声明で、「米国民は何十年もの間、主要な医薬品を外国からの供給に依存してきた。トランプ大統領とわが国の新たな関税政策は、この構造的な弱点を終わらせることに重点を置いている」と述べた。
同社は発表の時期と場所について、米国の政策環境と関連しているものの、投資の一部は将来の医薬品インフラ整備のため米政策に関係なく実施するものだとした。