ニュース速報
ビジネス

対米直接投資が第1四半期に急減、トランプ関税巡る不透明感反映

2025年06月25日(水)07時51分

 6月24日、米商務省が発表した今年第1・四半期の外国からの直接投資額は528億ドルで、昨年第4・四半期改定値の799億ドルから急減した。写真は、関税について発表するトランプ大統領。4月2日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日発表した今年第1・四半期の外国からの直接投資額は528億ドルで、昨年第4・四半期改定値の799億ドルから急減した。トランプ大統領が打ち出した関税措置を巡る外国企業の不透明感を反映した形だ。

直接投資の落ち込みに加え、関税の本格的発動前の駆け込み輸入が発生した影響で、第1・四半期の経常収支赤字は過去最大の4502億ドルを記録した。

これまで米国は持続的な貿易赤字を計上しつつも、その一部は米国の金融資産への資金流入や外国からの直接投資で穴埋めされてきた。

第1・四半期の直接投資額は、コロナ禍後のインフレが高まった2022年第4・四半期以来の低水準だった。

ただ直接投資の減少は一時的にとどまる可能性がある。外国企業による複数の米国における生産プロジェクトが発表されているほか、日本製鉄のUSスチール買収が第2・四半期以降の直接投資データに含まれる見込みだからだ。

キャピタル・エコノミクスのチーフ北米エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は、不確実性が投資決定に影響を及ぼしている恐れはあるが、四半期ベースの直接投資データは本来、個別の合併・買収や大型プロジェクトに左右されて振れが大きくなる性質があると指摘した。

その上で今回の落ち込みは、米国への直接投資で何か劇的で深刻な事態が起きている兆しではなく、恐らくは「ノイズ」に過ぎないとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

IMF、2025年のベトナム成長率は5.4%に減速

ワールド

中国経済は高成長維持へ、消費主導モデルへの移行を支

ビジネス

テスラ、5月欧州販売は約28%減 5カ月連続マイナ

ワールド

イラン反体制派NCRI指導者、国民に体制打倒呼びか
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 4
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 9
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 10
    イスラエル・イラン紛争はロシアの影響力凋落の第一…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中