ニッポンを再び「大国」にした、安倍元首相の功罪とは?
常にこびへつらいや称賛を求める一方、短気で復讐心の強いトランプの性格を安倍は見抜いていたようだ。だから安倍はトランプの粗野な振る舞いや、時には日本の国益に反する政策にも目をつぶった。
さもなければ、トランプ政権は孤立主義を強め、貿易問題で敵対的になり、日本を犠牲にして中国との関係改善を図り、北朝鮮の脅威に対する日本の懸念を無視する事態もあり得た。
全体的に見て、日米同盟がトランプ時代にも生き延びたのは、ある程度まで安倍の努力のたまものだった。
台頭する中国への対抗措置
国際貿易は長年、日本経済にとって必要不可欠な要素だったが、安倍は中国の経済的台頭と、インド太平洋の小さな国々に対する圧力の強化に対抗する地政学的戦略の一環として、国際貿易協定の締結を積極的に推進した。
特に日米のインド太平洋戦略の柱の1つだったTPP(環太平洋経済連携協定)は、史上最も野心的な貿易協定となるはずだった。
だが、孤立主義者のトランプはTPPから離脱。そこで安倍はすぐにアメリカを除くアジア太平洋地域11カ国の貿易協定CPTPPを締結した。世界のGDPの13%を占める同協定は、加盟国にとって中国との交渉で1つの武器になる。
安倍はまた、金融・貿易分野における日本の力を使って中国の「一帯一路」計画に対抗した。特にアフリカ諸国に対しては、2016~19年に200億ドルを投資。
さらに19年には、22年までに追加で200億ドルの投資を約束した。まだ中国のアフリカ投資には遠く及ばないが、安倍はインド、フランス、アメリカと協力して「アフリカ大陸内部でより包括的な開発を促進」しようとした。投融資対象国を借金漬けにする一帯一路とは大違いだ。
積極的な外交と通商政策を戦略的に組み合わせた安倍のおかげで、国際社会における日本の影響力は戦後最も大きくなった。この地域における中国の台頭とアメリカの戦略的撤退を考えれば、いずれも必要な、歓迎すべき対抗措置だった。
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