革命40周年のイランに、アメリカが今なすべきこと
さらにイランは核保有を追求し、核攻撃で破壊するとイスラエルを脅し、何十年にもわたってレバノンのシーア派武装組織ヒズボラ、イラン寄りのシリアのアサド政権、イエメンのシーア派武装勢力ホーシー派への影響力を強めてきた。
だがアメリカの対イラン政策は、中東における戦略的目標の大きな枠組みを考慮せず、それまでの歴史にのっとって条件反射的に遂行されることが多かった。地域の力学は、この75年間とは変わっている。アメリカの戦略も変わらなくてはならない。
アメリカの目標は地域の勢力図の均衡であり、特定勢力が覇権を握るのを防ぐことであり、貿易を円滑なものにし、イスラエルの繁栄と安全を守ることだ。アメリカにはスンニ派勢力(つまりサウジアラビア)と手を組む必要性はない。スンニ派とシーア派のどちらかを選んでも利益はない。地域で存在感を増そうとするロシアを牽制し、トルコの野心をうまくあしらい、勢力を拡大しようとするイランの政策に対抗する――これらが中東の安定にとって重要なことだろう。
<本誌2019年02月26日号掲載>
※2019年2月26日号(2月19日発売)は「沖縄ラプソディ/Okinawan Rhapsody」特集。基地をめぐる県民投票を前に、この島に生きる人たちの息遣いとささやきに耳をすませる――。ノンフィクションライターの石戸諭氏が15ページの長編ルポを寄稿。沖縄で聴こえてきたのは、自由で多層な狂詩曲だった。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する 2025.12.28
マムダニNY市長は、トランプに追い詰められた民主党を救う「正解」か 2025.11.22
ガザ恒久和平の実現には長期間の忍耐が必要......トランプの性格的にできるのか? 2025.10.15
カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が完全無視した「都合の悪い真実」とは? 2025.09.29
「会議は踊る、されど進まず」......アラスカの茶番劇でアメリカが失ったもの 2025.08.26
プーチンにコケにされた! トランプの自己愛がウクライナの助け舟になる皮肉 2025.07.26
名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に? アメリカが日本に向ける厳しい目 2025.07.08






