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女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに
前掲のコラムで、Colaboによる支援事業のひとつ「バスカフェ」が迷惑系YouTuberらによる直接的な妨害にあっているということを紹介したが、約半数の団体が支援事業に対する直接的な妨害を受けている。事業所をネットに晒された影響で、無関係な人が事業所の周りで撮影や配信をしたりゴミ箱をあさったり、関係者に不審なアプローチをしたりするなどの被害が半数の団体でみられた。
さらに絶対あってはならないはずの、支援を提供する場所やシェルターの住所や画像が晒された団体が4分の1存在した。支援を必要とする女性にはDVや虐待からの被害者も多く、個人情報や居場所は絶対に知られてはならない。こうした団体は引っ越しも検討せざるをえなくなり、活動に大きな支障が出ている。
さらにスタッフや事業所に危害を加えるという脅迫が延べ10件ほどみられた。そうした脅迫がなかった団体は3団体にとどまった。
支援そのものが継続困難に
女性支援事業を継続していくうえで最も重要なのが、利用者および支援者の安全確保だ。しかし今回の「女性支援を守るメディア連絡会」の調査によって、その安全が脅かされているという深刻な事態が分かった。
当然ながら、今回調査された女性支援団体に不正はなかった。Colaboと同様、「東京都若年被害女性等支援モデル事業」を受託した団体に対して住民監査請求が出されているが、いずれも棄却もしくは却下されている。しかし言いがかりや思い込み、あるいはブログや動画のアクセス数・再生回数をあげる売名行為として、女性支援団体に対して、その事業を継続不可能にするほどの攻撃が続いているのだ。こんなことは許されるべきではない。
女性支援団体への嫌がらせは、当事者だけでは解決できない。Colaboはこれまで「疑惑」について逐一回答してきたが、そのたびに新たな言いがかりや難癖をつけられ続けており、攻撃は激化する一方だった。
そもそも、シェルターの暴露や事業所への押しかけといったストーカーまがいの行為まで行うような人間たちに、冷静な説得が通じるわけがない。そのような行動の動機は加害欲求によるところが大きいのだから、当事者の反発は彼らをエスカレートさせてしまう可能性もある。
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