コラム

値動きチェックは無駄...「どれくらいの頻度でチェックする?」 経済のスペシャリスト後藤達也が説く「無理なく投資をはじめる」方法

2024年10月31日(木)16時19分
元日本経済新聞記者のフリージャーナリスト 後藤達也氏とレオス・キャピタルワークスの最高投資責任者 藤野英人氏

(左から)元日本経済新聞記者のフリージャーナリスト 後藤達也氏とレオス・キャピタルワークスの最高投資責任者 藤野英人氏(「お金のまなびば!」より)

<「投資は危険」というイメージも...レオス・キャピタルワークス藤野英人氏と元日本経済新聞記者の後藤達也氏が指摘する「投資初心者が陥りがちな沼」>

投資初心者が陥りがちな「沼」が、短期の価格変動に一喜一憂すること。株価急落に冷静さを失って資産運用を中断したり、損失を出した結果「怖い、危険」というイメージだけが残ったりしてしまうことも......。

こうしたよく起こりがちな投資への誤解について、日本の資産運用会社レオス・キャピタルワークスのYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」の動画「経済ジャーナリストが投資をはじめる人に伝えたいこととは?【藤野英人×後藤達也】」で、同社の最高投資責任者である藤野英人氏と、元日本経済新聞記者の後藤達也氏が対談した。

第1回はこちら:「1000万円持っている人が来て...」後藤達也と藤野英人が投資をはじめる人に伝えたいこと

アプローチの方法は違えども、根底にある思想は共通するという後藤氏と藤野氏。両者にとって、単なる「お金儲けの手段」ではない、「投資という考え方」をどう広げるかは大きな課題であり目標だ。

では、投資とはそもそも何か。

後藤氏は「決して騙し合いではなく、ハッピーな繋がりをつくること」と分析する。顧客が投資することで企業に資金が集まり、設備投資や研究開発に役立てられる。企業が成長すれば株価が上がり、株主はそこで得た利益を次の投資に回す。こうして経済に良いサイクルが生まれていく。

「デフレからインフレの時代に突入し、賃金が上昇したり働き方に対する価値観が変化したりしている。今、投資を始めることは時代にすごくマッチするような気がしている」と後藤氏は言う。

同氏によると、「投資は危険、お金儲けは卑しいもの」というイメージが植え付けられたのは金融業者の責任も少なからずあるという。

「2010年頃まで日経平均株価は右肩下がりだった。その影響で、詐欺ではないがリスクの高い商品に高額な手数料を上乗せして販売していた業者も存在し、リーマンショックにより厳しい状況に追い込まれた個人投資家が少なくなかった」(後藤氏)。

だが、2012年から日経平均はほぼ右肩上がり、業者もクリーンになったという。「投資が危ないというイメージは20~30代の間では払拭されていると思う」と後藤は推察する。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、フェンタニル関連の対中関税引き下げへ=トランプ

ワールド

台湾への武力行使「絶対排除せず」、中国報道官 米と

ワールド

米民主党系サンダース議員、人員削減巡りアマゾンに説

ワールド

米韓首脳会談、貿易・朝鮮半島情勢など協議へ=韓国大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 2
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 3
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 4
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 5
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 6
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「何これ?...」家の天井から生えてきた「奇妙な塊」…
  • 9
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 10
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story