最新記事

AI

「すごすぎる!」とSNSで話題──難題も完璧に答えるAI「ChatGPT」とは

2022年12月9日(金)17時00分
エリザベス・スティメル
AIチャットボット

Ivan Kuchin-iStock

<テキストで質問を投げかけると「人間か」と疑うほど精度の高い回答を用意してくれるAIの「ChatGPT」が注目を集めている。わずか6日間で100万人以上のユーザーが利用し、SNSで話題沸騰中の同サービスを解説する>

AIチャットボットの最新鋭が姿を現した。ツイッターなどのSNS上では大きな話題となっており、ネットユーザーたちはテクノロジーの新時代を目の当たりにしている。

新たに登場したAIチャットボット「ChatGPT」は、イーロン・マスクらが2015年に共同創業し、サンフランシスコを拠点とする非営利のAI研究開発企業・OpenAIが開発した。同社のサム・アルトマンCEOによれば、11月30日のリリースからわずか6日間で100万人以上のユーザーが利用したという。

GPTは「Generative Pre-Trained Transformer(文章生成型事前学習済みトランスフォーマー)」の略。ChatGPTは、OpenAIの自然言語モデル「GPT-3」の次世代バージョンだ。

ChatGPTは無料で使え、従来のAIチャットボットと比較して、誰にでも使いやすいインターフェースを採用している。

多くのAIチャットボットは過去の回答を記憶せず、多くの場合、不適切なプロンプトだらけになってしまう。OpenAIは今回、こうした問題の多くを解決したという。

新たなフォーマットは「後続質問に回答し、間違いを認め、誤った前提に疑問を投げ掛け、不適切な要求を拒否することを可能にする」と、同社はブログで述べている。

ニューヨーク・タイムズのテクノロジー担当コラムニスト、ケビン・ルースに言わせれば、ChatGPTは「一般人向けにリリースされたAIチャットボットの最高峰」だ。

ChatGPTはこれまでに受けた質問を記憶することができる。もっとも、その知識は2021年より前に学習したデータに限られるため、時事問題に対する回答は古い内容になる可能性がある。

「違法行為の指示」の作成といった「不適切な要求」は拒否するよう設計されているが、100%確実というわけではない。

OpenAIは「不適切な要求は拒否するようにしているが、有害な指示に応答したり、偏向した行動を示す場合もある」と説明している。


(問題があるかどうかを判断する)モデレーションAPIを使用し、特定の安全でないコンテンツを警告・ブロックしているが、当分の間は、検出すべき問題を検出できなかったり、誤って有害と判断したりするケースがあるものと考えている。ユーザーフィードバックを収集して、継続中のシステム改善にぜひとも役立てたい。

ChatGPTは、同じくOpenAIが開発した画像生成AIツール「DALL・E」とともにSNSを席巻中で、ユーザーらが自前のAI生成コンテンツを共有している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米FTC、エクソンのパイオニア買収を近く判断か=ア

ビジネス

インタビュー:為替介入でドル160円に「天井感」=

ビジネス

新興国債券、米利下げ観測後退とドル高が圧迫=アムン

ワールド

バイデン氏にイスラエルのラファ攻撃阻止要求、身内の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中