最新記事

韓国

BTSのJIN、年内にも入隊か それでも兵役めぐる混乱は続く?

2022年10月17日(月)19時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
BTSのJIN

入隊延期を取り消し、年内にも兵役に就くというBTSのJIN  KIM HONG-JI / REUTERS

<これで騒動が一件落着、とはいかないようだ>

ここ数年、韓国だけでなく世界的に注目を集めてきたBTS(防弾少年団)メンバーの兵役問題が決着をみた。

BTSの所属事務所ビッグ・ヒット・ミュージックは17日「JINが今月末、入隊の延期の取り消しを申請し、その後、兵務庁の入隊手続きに従う」「他のメンバーも、各自の計画によって順次入隊する予定だ」と発表した。聯合ニュースなど韓国メディアが報じた。

7人組のK-POPアイドルグループBTSで最年長のJIN(キム・ソクジン)は1992年生まれ。2020年に改正された兵役法によって文化体育観光部長官の入隊延期の推薦を受けており、今年末まで入隊が延期された状態だった。入隊延期者は延期期間が終わる前に入隊するためには、兵務庁に入隊延期の取り消し届けを提出しなければならない。

JINが入隊の延期の取り消しを提出すれば、通常3ヵ月以内に入隊通知書を受けるようになり、早ければ年内にも入隊する可能性がある。

韓国男性アイドルの鬼門「入隊問題」

韓国は朝鮮戦争休戦協定からすでに約70年が経つものの、今も戦争が終結しておらず、徴兵制がとられている。このため多くの男性は大学在学中に休学して入隊する事が多い。BTSのような芸能人の場合は、芸能活動の区切りのタイミングを見計らって入隊するが、1年以上活動を中断することになり、大きな負担となっている。

もちろん、例外として兵役を免除されることがあり、スポーツ選手ならオリンピックでのメダル獲得かアジア大会での優勝、文化芸術関係者なら国際的なコンクールでの2位以上、国内のコンクールでの優勝などが対象となる。ただ、ここでいう文化芸術分野とはクラシック音楽やバレエなどのことを指し、BTSなどのK-POPアイドルの大衆音楽は含まれていないのが現状だ。このため、ビルボードでトップを獲得するなどの世界的な人気を獲得したBTSメンバーに対して兵役免除させるべきかどうかは、韓国では政治問題ともなって議論されてきた。

事実、先月中旬には国会国防委員会がこの問題について世論調査を実施している。そこでは「BTSのような大衆文化芸術家への兵役特例を導入すべきか?」という質問に「賛成」が60.9%で「反対」が34.3%と、圧倒的に賛成が多かった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&Pとダウ小幅続伸、米利下げ期待で

ビジネス

再送NY外為市場=ドル上昇、FRB当局者発言を注視

ワールド

米、イスラエルへの兵器輸送一部停止か ハマスとの戦

ビジネス

FRB、年内は金利据え置きの可能性=ミネアポリス連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中