コラム

LINE、GoogleのクラウドAI戦略を比較してみた

2017年06月19日(月)14時00分

AIが、ユーザーのカレンダーの情報と交通情報の両方を考慮して判断しているのが分かる。

またGoogle Homeは米国内だと無料で電話できることになった。電話をかけるときも、夫が「OK、Google、ママに電話をかけて」というと夫の母親に電話がかかる。妻が「OK、Google、ママに電話かけて」と言うと妻の母親に電話がかかる。つまり音声認識AIが、夫と妻の声を聞き分けているわけだ。

Googleの強みは、検索エンジンに加えて、gmailやGoogleカレンダーなどのツールで、ユーザーの情報を把握していること。さらには、そうした情報を統合し、AIを使ってユーザー一人ひとりに合ったサービスを展開できるところだろう。

Googleは今後、こうした強みをますます前面に押し出してくるものと思われる。

LINEの枡田氏がカンファレンスで指摘したように、今はスマホのパラダイムからクラウドAIのパラダイムへの大きな移行期である。ユーザーの「秘書」「親友」という強力な影響力を手にするために、テック大手間の競争は今後ますます激しくなっていくことだろう。

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プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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