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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

イタリア経済を支えるミラノが受けたダメージは

ミラノ・ポルタヌオーヴァ地区の新しい高層ビルのパノラマビュー:iStock- Marco_Bonfanti

コロナウイルスの緊急事態パンデミックはミラノを衰退させた。

バーやショップやホテル。ミラノファッションとモード、世界見本市フェアーへのダメージ。その損失は計り知れない。

| ミラノのサイクルは終った

脱工業化によって領土に残された穴は、過去20年間に、CityLifeとポルタヌォーヴァの高層ビルによって埋められた。
これらは、「サービスプラットフォーム」と呼ばれ、北部を代表する生産的都市のシンボルになった。
その後、2015年にはミラノ国際博覧会が開催され、エキスポミラノで1950年代と1960年代にあったメイドインイタリーの国際規格の役割と世界を魅了し続けるイタリア製品の強みを発信した。
ミラノはイタリアの他の都市と比較した時、明らかに違う点はミラノ自体でヨーロッパに一種の都市国家の前哨基地(ぜんしょうきち)を建設することを目指した都市であるという点である。

そして今、このコロナウイルス緊急事態におけるパンデミックの被害から損失を見積もりし直し、新しい都市モデルを見つけることが課題となってくる。

まず、ミラノへの街へ入ってくる人口が半分になった。


ミラノは、すべての大都市と同様に、訪問者を引き付ける事によって富を生み出す街である。
日中は、通勤者、観光客、ビジネス旅行者の間で170万人がミラノを訪問している。ミラノの中心都地ではそれが2倍になる。
2020年10月中旬までに、すでに747,000人が減少した。

今日、ミラノにはミラノ人(ミラノ市民)しかいない。

ミラノはロンバルディア州の首都であり、ロンドンとパリのそれに匹敵する生産性を持っている。

国の住民の8%がこのミラノに在住しており、国内総生産GDPの13%をこの地域が生み出す。
これだけ国の経済の中心を担っている街がイタリアのコロナウイルスの発信源となり、イタリアにとって最も大きなネガティブ材料にもなった。
2020年、イタリアは1,800億ドルのマイナス。そのうち23億ドルはミラノの大都市圏からの貢献がなかった分の損失額である。
またパンデミックはサービスマクロセクターには、ことに無慈悲で容赦がない。
フェアー、イベント、ホテル、公共施設、衣料品の売り上げを合わせると、2020年2月から2021年2月までの推定売上高の損失は100億を超えるという。
エンターテインメント部門を追加するとその損失は110億を超える。


| ホテル、フェアー、ファッション業界がどれだけ失うか

2019年、ミラノの33,000のホテルの部屋は、税金VATを差し引いた1泊あたり平均125ユーロの費用がかかり、75%が占有されていた。
それが2020年は、1泊あたり100ユーロで、客室の20%のみが埋まった。

損失は15億ユーロ。

地域、市町村、および企業団体が代表するフィエラミラノ財団によって管理されているフィエラミラノスパは、2月末には1株あたり5.4ユーロから10月には2.1ユーロに下落。
見本市部門の専門家であるフランチェスカ・ゴルフエットによると、見本市によってミラノで生み出された売上高は30億ドルであるが、年末にはその70%を逃した

約21億ドル


次に、「個別が開催するイベント」も追加する必要がある。
大手ブランドは、口紅から携帯電話まで、製品のプレゼンテーションをする場所はミラノである。

製造するの別の州、販売するのはミラノである。

この経済効果売上高21億のうち14億を損失した。

| ミラノはファッションの街

Vodafoneの8月の分析データによると、ミラノ一の高級ブティック街モンテナポレオーネ通りで買い物をする人は2019年8月より54%少なくなった。
免税事業社のグローバルブルー(Federmoda-GlobalBlue)の見積もりによると、ミラノで衣類などの購入を逃したイタリア人と観光客による損失である。
ミラノだけで37億ドルの損失。

ミラノ市内では2500以上の350-400店舗が閉鎖の危険にさらされている。


| 毎日82,000食少ないランチ

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ロンバルディア州庁舎パラッツォ・ロンバルディア: 筆者撮影


市民に課された法令によるロックダウンで移動禁止も加わり、公共施設が犠牲となった。
2020年2月から2021年2月までの1年間で、ミラノでの売上高が19億少ないと見積もられている。
10月の初めにすでに家で働いていた人々に加わっ​​た約8万2000人の労働者は、バーでの軽食ランチをするがそれがなくなっただけで、1日19万5000ユーロを失うことになった。
会社の食堂での1日あたりの食事数は20,000以上減少した。
ミラノのサラ市長がロックダウン後に全員をオフィスに呼び戻したのはそのためであるとも言われている。

CISLロンバルディアの調査によると、緊急事態の前に、市内の従業員の13%(154,000人)がすでに自宅での労働(スマートワーク)をしていた。
通常に戻ると、ミラノでのスマートワークにはさらに543,000人の労働者へと増える可能性がある。
その期間中は、メガバンクのユニクレディトやBNP、最大手保険会社のGeneraliなどの本社ビルが犇いているセンターの高層ビルは半分が空になっている状態。
そして、エンターテインメント部門(オペラのスカラ座、美術館や博物館、コンサート会場まで)は、毎年2,700万人がミラノを訪れ、約10億人の売り上げを生み出していたが、その70%が一気に失われた。

| それでもミラノは降伏しない強みとは

ミラノはかなりの打撃を受けているわけだが、不動産市場は成り立っているという。
低金利のおかげで、1平方メートルあたりの価格は2021年前半も安定していると予想されている。
大規模な不動産開発業者の株価を半減させたショックにもかかわらず、この都市ミラノは国際資本を引き付け続けているのだ。
たとえば、ハインズアンドケールストリート(クウェート基金)は、ミラノ-ミラノ郊外の街セストを結ぶプロジェクトに5億ドルを投じた。
社会学者やエコノミストなどさまざまな分野の専門家が、最初の課題は郊外を再開発することで、都市の新しい開発モデルを設計する必要があることを述べている。


出発点となる課題は、ミラノ中心地から15分以内にすべてが完了することができる。
"ミラノをもっと身近におこう"を目的とする社会を作るということがテーマである。

最初に大規模な公共住宅地区から始める(ミラノは人口に比例してイタリアで最大の公共住宅の空きを保有している)が、一部は老朽化しており、再構築する必要がある。

ミラノで働いている動労者達はミラノ中心地では家賃が高いので到底払えない人たちがたくさんいる。街を動かしている働く人々、ショップ店員から路面電車の運転手、掃除人、配達人まですべての人々の生活条件を改善する必要があるのではないだろうか。

1月14日に新たな緊急政令が出た。

在イタリア日本国大使館 Ambasciata del Giappone in Italia 2021年1月14日緊急政令第2号(抄訳)より引用抜粋

1月16日から2021年2月15日まで、イタリア全土において、州/自治県を越えた移動を禁止。いずれにせよ、自身の住所・居住地・居所への帰還のための移動は許可される。
(例外)証明される仕事上の理由、必要性のある状況、又は健康上の理由に動機付けられる移動。

【第1条4項】1月16日から3月5日まで、イタリア全土において、本緊急政令が規定していないものについては、2020年3月25日緊急政令第33号第2条1項(※1)および2項の規定(※2)はあるものの、以下の措置を適用。


a) 5時から22時の間、最大2名で、同一州内に所在する私的住居(一軒のみ)への移動が1日に1度のみ許可される。また、保健省が感染状況等に基づいて指定する特定の州においては、以下のb)の場合を除き、移動の範囲を自治体(コムーネ)内とする。
b) 移動可能範囲が自治体(コムーネ)内に制限される場合、人口5千人を超えない自治体(コムーネ)から30kmを越えない範囲での移動は、県都への移動を除いて許可される。
(※1)感染状況が特段悪化した特定地域に対する移動制限の採用又は再導入に関する規定
(※2)州から別の州への移動・移動手段にかかる制限と例外に関する規定


【第1条5項】イエローゾーンよりも制限措置の緩やかなホワイトゾーンを導入する。


【第5条】滞在許可の期限延長(2021年4月30日よりも前に失効する滞在許可については、その失効期限が2021年4月30日まで延長される。)

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著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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