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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

イタリア経済を支えるミラノが受けたダメージは

| クリスマスが終わった後のイタリアのラジオにて

車の運転中に聴いていたラジオ、
ラジオ番組のひとコーナーのテーマは "あなたがもらったクリスマスプレゼントは何でしたか?"を何気に聴いていた。
お題に対し、リスナーから集った話しを番組で紹介するというものだ。
リスナーはラジオ局に電話をし、2020年のクリスマスに、実際に自分がもらったプレゼントについてのエピソードを語り、その愚痴や不満をぶちまけ、その中から留守電に残された面白い内容を生放送で流すというもの。

それが実にイタリア人らしいものばかりだったので紹介したい。

お題:"あなたがもらったクリスマスプレゼントは何でしたか?"
一つ目のエピソード


「兄の娘と私の娘は3歳違いです。3年前に私が姪っ子(兄の娘)にあげたプレゼントが、3年後に戻って来ました。私が書いた"○○ちゃんへ" という姪っ子の名前を書いた直筆メッセージもついたまま、包装紙も開けてない状態です。義姉は、"うちの子の名前が書いてるけど、気にしないで、中身は何かは知らないけど開けてないから新品よ。" って、言うんです。多分、義姉は悪気はなく、誰から贈られたプレゼントかも全く覚えていない様子で、平気で3歳違いの私の娘にプレゼントを使い回ししてきた感じでした。義姉に私があげたプレゼントだと言った方がよかったでしょうか?」

という、しょっぱなからなんという内容...。
このご時世、2020年のクリスマスに実際に起こった実話エピソードに唖然とした。

ラジオパーソナリティの女性は、
「イタリアではよくあることですよねー、プレゼントのリサイクルはエコです。」などと言って、しめた。

はぁ?

パーソナリティも司会進行する相方の男性も相槌を打ち、スタジオはスタッフの笑い声に包まれている。

正直、私はラジオを聴きながら、かなり引いていた。
全く笑えない。

突っ込みどころが満載すぎて、どこから手をつけていいかわからない状態だ。
まず、メッセージがついているままって?
プレゼントを開けてすらいないの?
中身は知らないけど、人にそれをあげるんだぁ・・・。年頃が同じくらいの子供だから、プレゼントの適齢ははずしてないだろうという、一か八かのかけどころ?
それ、そもそも間違ってる。つか、お子さんは、プレゼントを開封する権利すらなかったのか?
そして、プレゼントを贈った人の気持ちは無視か?どこへいった!
3才差ってことは、三年経ったから、よしこれで行ける。兄嫁、それ確信犯だな...。

など、など。

「トイ・ ストーリー5」だとすると、おもちゃは冒頭から脱獄したくなるレベルの話に、
パーソナリティが爽やかに"エコ"だと言い放った。

物には罪はない、物にも失礼だ。グルグルと日の目を見ることなく回される物の身にもなってみろ。
この実話をラジオ局の留守電に話して残したリスナーの愚痴は、浄化できそうにないので、ここで紹介してみた。
まさかの日本語だが。


このイタリア人らの無神経さと開き直りと、平然と残酷なことをしているにも関わらず、強引に笑いに変えようとする神経。大前提にある、

"悪気は一切無いんですけど"

というものをスローガンにしているのか、あまりに人への思いやりと配慮に欠けてた、そのあっけらかんとした気質と民度には、長年イタリアで暮らしているが、殆疲れるし、いつも驚かされて慣れない。

次なるリスナーの悲惨なプレゼントのエピソードは続く・・・

「私は結婚して10年になります。クリスマスに友人家族からプレゼントをもらいました。包装紙を破り、中の箱を見ると、そこには私たち夫婦の名前が印刷されていました。どこかで見覚えのあるものだわと思いながら、次に箱を開けて見たら、私たちが結婚式に参列してくれた方へ贈った引出物のポザーテセット(ナイフ・フォーク・スプーン・デザートスプーンなどの入った一式)だったんです。
それでも私は、あの引出物は私が選んだんだし、良い品だったから、戻ってきても嬉しいわと思いました。しかし、よくよく見てみると、ベン・ウザーテ!(よく使い古された中古)でした。私達の引出物、しかも使用済み中古品を10年後にプレゼントされてしまいました。どう思いますか?」

という内容だった。

これまた、想像を超えた実話エピソードに、愕然とし、1話目の悲劇的なエピソードですら、薄く感じられた。

おぞましいエピソードだが、イタリアのラジオではそこが最終的なオチではない。
ラジオパーソナリティの返しとツッコミまでが一通りのストーリーであり、ネタとなる。

この空いた口が塞がらないエピソードに対して、
パーソナリティの女性は、

「引出物を10年後に梱包し直して返すなんて、恥ずべき行為だわ。でもポザーテセットがこんなに丈夫だし、今でも普通に使えるわよっていう、"ユーズド(中古)"ではなく、"ビンテージ"という発想の転換もできますよねー」

2話目も謎のポジティブシンキングでリスナーの悲惨なストーリを斬り落とした。

トリッキーなイタリアのラジオを運転中に聴きながら、事故に巻き込まれないように安全運転を心がけて目的地へ到着した。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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