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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

どうなるイタリアのクリスマス2020

クリスマスの定番伝統菓子パンドーロ iStock- Studio Doros

新しい*Dpcmが出た後、コンテ首相が今年のクリスマスについて触れた。

「クリスマスにはルールを尊重する必要があります、なので、パーティー、ディナー、ダンスは無くなります。しかし、感染拡大を抑え安心してクリスマスを迎えることができれば、より経済的な安心感を得る事ができるでしょう。」

と首相は述べた。

イタリアの各地で、毎年恒例の市内で行われている伝統的なクリスマスマーケットを今年は全国すべて禁止される。通常ならば、12月8日からクリスマスホリデーの期間中は、広場や大きなメイン通りを活気付けていたクリスマスマーケットの屋台は、今年はどこにも無い。

自治体は多くの人が集まるような集会を避け、代替の解決策となるソリューションを考えているだろう。
おそらく、広場に巨大クリスマスツリーが飾られるだけであろう。

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去年2019 年のミラノドゥオーモ広場のクリスマスツリー(筆者撮影)

| 孤独なクリスマスではありませんが、制限はあります。

ラ・スタンパとのインタビューで、保健次官のサンドラ・ザンパが、クリスマスに関する規定があることを発表した。

それは、
「孤独なクリスマスであってはならないが、家族は小さな核、第1級の親と子、(日本の一親等:父母・配偶者の父母・子・配偶者の子)第2級(日本の2親等の兄弟姉妹)までは集まることができる」という具体的な規定であった。

| イタリアはカトリック総本山があるキリスト教の国

クリスマスは救い主イエスキリストの降誕を祝う降臨祭であり、一年のうちで最も大切な伝統的宗教行事の日である。

イタリア語ではクリスマスの事を 「誕生の、出生の」という意味のNATALE(ナターレ)と言い、ラテン語のnatāle「生まれた」が語源である。伊語でNascere(ナッシェレ)「生まれる」という動詞で、まさにイエス・キリストの生誕をお祝いする日を意味する。
夜になると家族で教会のミサに出かける。
雰囲気で言うと日本の大晦日から元旦にかけては家族と家で過ごし、除夜の鐘を聴きながら年越しそばを食べ、お寺さんや神社へお参りに行き、新年も初詣に出かけたり、お雑煮やおせちを食べ、静かに厳かに過ごす・・・。あの感じがイタリアのクリスマスにあたる。クリスマス前夜は魚料理を食べ、クリスマスの日は七面鳥などの肉料理を食べるのが一般的。

つまり、日本のクリスマスと正月を逆転させた感じがイタリアである。

イタリア人の年末年始の過ごし方は、日本のクリスマスと似ていて、ド派手にカウントダウンパーティーに出かけ、友人や恋人と過ごす。深夜までレストランやジェラテリアやディスコやクラブは営業している。今年は、それがすべて禁止である。

日本では、クリスマスにクリスチャンでない人達でも、プレゼントを交換したり、ケーキやフライドチキンを食べたり、友達やカップルと過ごす冬の一大イベントという商業的な行事として定着している。
イタリアでは神聖な宗教行事なので、クリスマスにカップルや友達と過ごすことはまずない。
都会で仕事をしている人も学生も故郷へ帰り、家族と一緒に過ごすのが文化風習である。
外食ができるレストランやプレゼントが買えるお店やスーパーマーケットなんて1つも開いていない。
キリスト教は、1年で一番大事なこの日に商売・金稼ぎをするなど考えられない行為で、イタリアでは御法度になる。

もちろん、どの店も閉まっている。観光地もチケット売り場も閉まっている。自然以外に何も見学できる場所などない、コロナ禍じゃなくても閉まっている。

「汝、働くべからず」であり、絶対に働いてはいけない。クリスチャンであるイタリア人が仕事をしているという事は、まずあり得ない。

日本では飲食店や宿泊施設は書き入れ時で、クリスマスはどこも開店営業しているのが通常である。
日本人にとってはそれが当然だと思っている。
また、さぞキリスト教の本場のイタリアでは派手なクリスマスイベントをしているのだろうと、間違った先入観と期待を持って、わざわざこの時期を選んで飛行機に乗り、イタリアに来る日本人観光客が多くいる。
しかし、24日から26日の聖ステファノの日(この日もイタリアは祝日)で、観光スポットや美術館や博物館、特にレストランやお店はどこも閉まっているので、この3日間の食べ物を調達するのに大変苦労している人たちが非常に多くいる。


「クリスマスなのに食べる物がない、飢えを凌ぐにはどうしたら良いか、どこか開いているイタリアンレストランはないだろうか」という問い合わせや質問が、毎年恒例、私の元に届く。

結論から言うと、

イタリアって国に、クリスマス時期に観光で来たら悲惨な目に遭う

質問と問い合わせの回答としては、

キリスト教でない異教徒の方達は、通常営業している。


中華料理店とケバブ屋さんと中近東出身の方達がやっているピッツェリアはクリスマスでも開いている。
マクドナルドが12月25日に営業しているかどうかを検索サイトで調べる外国人観光客も多い。
頼みの綱は、世界のマクドナルド様!食べる物に困った時は、とりあえずマクドナルドに行けば良い。
イタリアでもマクドナルドはクリスマスでも開いているのだ。
働いているスタッフはキリスト教ではない方達のみで、クリスマスは夜通し頑張って回している。

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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