World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

これまでに無い新しいミャンマー支援への試行錯誤

PICTURE BOOKで間もなく募集開始されるクラウドファンディングのプロジェクト

皆さんこんにちは。
ミャンマーエンターテインメントプロデューサー新町智哉がお送りしております。
今回はこれまでに無いミャンマー支援の形を探し続けて出た一つの形を皆さんにお伝えしたいと思います。
続トップ画像最終稿.png

結果がどうなるかまだ誰にもわかりません。
その過程でどんなトラブルが起こるのかも想像しきれるところではありません。
そもそもプロジェクトをスタートさせた途端、批判される可能性もあると考えています。

それでもミャンマーに関わる者として、ミャンマーのエンタメに関わる者として、どうしても成し遂げたい想いがあります。
どうかこの想いが皆さんに届く事を願ってこの記事を書いています。
全ての想いを伝えようとしてしまうととても長くなってしまうので、出来るだけ手短に話したいと思っています。
お付き合いください。

ヤンゴンの街で物を売る子供たちに気付いたのはミャンマーで暮らすようになってすぐの事でした。
日本では考えられないような光景をこちらでは当たり前のように目の当たりにするのだと感じました。
こういう時に「ザ・ニホンジン」の良くないところが出てしまった私は「見なかった事にする」「触れないようにする」という事を随分と長い事していたと思います。
そして「ああいう子供たちにうかつにお金を上げてはいけない」などと体の良い言葉ばかりを探して自分を正当化し続けていたと思います。

今思い返せば吐き気がするようなマインドです。
初めて物を買ったのはそれから何年後だったか?
確かタクシーに乗っていた時でした。
その時何を買ったかはもう覚えていません。
ただ、5000MMKを渡したのは覚えています。
当時のレートで450円位でしょうか。
物売りから一つ物を買うにしてはかなり高額です。

ずっと後ろめたい気持ちでいた自分と、不必要に高く買う事へのよくわからない罪悪感とで5000MMKというお金になりました。
その妙な感覚は今でもよく覚えています。
なんだか悪い事をしてしまったかのように「ありがとう」という言葉をかけてくれたその子の顔も観られずにいました。
そして「この姿を誰にも見られたくない」と思いました。

それからも街中で物売りの人から何かを買うという事を頻繁にしていた訳ではありません。
更に時間は経ちます。
ミャンマーをコロナが襲った2020年4月。
恐る恐る外に出掛けた僕はガランと廃墟のようになった静かなヤンゴンの街を観ました。
車なんてほとんど走っていない交差点でそれでも物を売っている子供たちを見かけました。

「今しかない」と思いました。
今ならこの子達から物を買って上げて、尚且つ何かささやかな贈り物何かを上げても後期の眼差しを向けられる事もないだろうし、揶揄される事も無いだろう。
子供たちが集まっている交差点に行ってそこに集まっていた子供たち一人ひとりから1つ花を買って近所のローカルスーパーでヤクルトを配りました。
2.jpg
今と違って子供たちの表情も堅い:筆者撮影

自分の中で沢山の言い訳を用意しないと少しの良い事すら出来ません。

最近は偉そうに「子供たちへのエンタメ支援」とか言っている男はこんなミジンコハートしか持ち合わせていないような人間です。
結局その時のヤクルトを配る活動も大して続きませんでした。
もしあのまま続いていたら僕の活動はフラワー&ヤクルトになっていたのでしょうか。

その後、軍事クーデターが起こり更に子供たちにとって大変な時期になります。
ヤンゴンでの自転車移動も随分慣れた2022年の年末頃だったでしょうか?
ある場所でこれまでにないくらい小さな子供たちが花を売っているのを見かけました。
1人買うと他の2人も来たのでその子達からも買いました。
500MMKなので僕が1000MMK渡すとおつりを出そうとするのですが「ヤーバーデー」(大丈夫)とおつりを断りました。
めちゃくちゃ喜んでくれました。

後にその子達の写真を撮った時の様子です

その時、僕の中にあった沢山のクダラナイものが全て吹き飛んだ気がしました。
とにかく、この子達の為に自分が出来る事をしよう。
そう考え続け、子供たちから花を買いバナナを配るフラワー&バナナが始まりました。

たった1人で始めた活動ですが、今はもう沢山の方の応援をいただいています。
そして同時にずっと準備していた絵本「えんとつ町のプペル」ミャンマー語版の出版に際しての活動もこのことに活かすべきだと考えるようになりました。

僕がいつも考えるのは自分が実際に会った子供たちのこと。
その子たちの為に一生懸命になれば、きっとその奥にいるまだ見ぬ子供たちの為にもなる。
そう信じています。
随分と時間かかってしまいましたが、ミャンマーの子供たちへのささやかなプレゼント、エンタメ支援というものが産声を上げようとしています。
どうかこのことを少しでも多くの人に伝えられるように応援よろしくお願いします。

まだまだこの物語は続きます。
それでは、また。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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