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NYで生きる!ワーキングマザーの視点

ベイリー弘恵|アメリカ

ミュージカルCats全米ツアー〜ピアノ演奏は松浦麻未

©iStock ブロードウェイにCATSのシアターがあった当時の写真

ニューヨークで18年間ロングラン公演を続けていたミュージカル、キャッツ(Cats)は1982年初演、2016年7月31日からニール・サイモン劇場で16年ぶりに1年間上演され、その後ニューヨークの劇場で観ることができなくなった。そんな中、キャッツの全米ツアーが2019年から始まった。

パンデミックにより一時公演が中止されたものの、2021年秋から再びツアーがスタートした。2021年秋からキーボードでピアノの演奏を担当しているのは、松浦麻未(まつうらまみ)日本人女性なのだ。

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©Mami Matsuura

──今はどちらにいらっしゃるんですか?

カリフォルニアのモデストにいます(9月18日に取材)。サンノゼの近くです。ツアーは、去年の9月から始まって、来年の6月末まで続く予定です。今年は8月中ごろからリハーサルがあって、昨日がオープニングでした。

──ブロードウェイでキャッツはもう見れないのでしょうか。

今はブロードウェイでの公演は行っていません。ニューヨークシティーの近くだと、ニュージャージー州やペンシルベニア州のフィラデルフィアで公演があります。ニューヨーク州のローチェスターやセラキュースでも公演がありました。

──唐突ですが、ツアーは楽しいですか?

楽しいですが、いろいろな面で大変なこともあります。近くに日本食スーパーなどがある都市に行くことはごく稀なので、ニューヨークみたいに、アジア系のスーパーやレストランが沢山ある場所がたまに恋しくなります。でも今のところ、楽しいが勝ってるって感じですね。

バンドのメンバーはとても良い人達で、毎日演奏していてとても楽しいです。みんなで街を観光することもあります。アメリカの色々な都市を観光出来るのも、ツアーの楽しみの一つです。

──ツアー中、普段はどんなふうに過ごしているのですか?

メンバーとご飯を食べに行ったりもしますが、定期的にバンドメンバーとグローサリーショップに行って、食材を買いに行ったりもします。なので、ホテルの部屋で一人でご飯を食べることも多いです。私は小さい炊飯器を持ち歩いていて、それでご飯を炊いたり、野菜スープをつくったりしています。最近はキヌアを使って色々なものを作るのにもハマっています。

毎日の演奏や毎週の移動も身体に負担がかかるので、今まで以上に体調に気を遣うようになりました。去年からランニングを始めたのですが、前より疲れにくくなったような気がします。フィジカルセラピストも一緒にツアーを回っていて、キャストやミュージシャンの身体をケアしてくれます。マッサージ以外にも、カッピングや針治療もしてくれて、私も定期的に通っています。

──全米ツアーっていえば、大きなトレーラーみたいな中にメンバーそれぞれの部屋があるってイメージしてたのですが、ホテルに泊まってるんですね。

だいたい劇場の近くのホテルで、ミュージシャンは一人部屋です。

──パフォーマーは何人くらいいるんですか?

パフォーマーは全員で32人です。その中で、一人何役かをカバーするスウィングキャストが10人います。(キャストに関する詳しい内容が書いてるサイト

──演奏はどのように行っているのですか?

もともと35人くらいいたオーケストラを縮小して、今は指揮者1人とミュージシャン8人で音楽を奏でています。キーボードが私を含めて3人いて、弦楽器や管楽器、パーカッションなどの他の楽器の音をカバーしています。ピアノの音を出すのは、私一人です。

サックスやフルートなど木管楽器を演奏する人が2人、あとはドラムとベース、ギターを演奏する人がいます。

──もちろん生演奏ですよね。

生演奏なのですが、キャッツは演出上オーケストラピットでは演奏せず、別の部屋からリモートで演奏しています。何でそういう演出にしているのか、理由は定かではないそうなのですが、キャッツは全員猫の役なので、客席からオーケストラピットで演奏している人間が見えるとおかしいからじゃないかって言われています。

指揮者は、舞台が映し出されているモニターを見ながらパフォーマーの動きに合わせて音楽を指揮します。そして指揮者が映し出されるモニターが客席の2階席の真下くらいにあって、役者達はそのモニターを通して指揮者からの合図を見れるようになってます。

狭い劇場で別の部屋が確保出来ないときや、構造上リモートで演奏出来ない場合は、オーケストラピットで演奏します。

──ショーの間は何時間くらい演奏するのですか?

2時間演奏してます。1時間演奏して、休憩があって、またその後1時間。23曲を演奏します。

──23曲も演奏するんですね。まさか23曲も暗譜ではないですよね。近頃は楽譜もデジタル化が進んでると聞きますが。

はい、楽譜を見ながらです。

私も練習のときはiPadを使っていますが、ショーでは紙の楽譜のほうが安心するので、今も紙の楽譜を使ってます。メンバーの大半が紙の楽譜を使っています。譜めくりも自分でやっています。

<編集後記>
前にも麻未さんに取材したことがあるのだが、ミュージカルの演奏に向いてそうな穏やかなタイプ。自己主張の強いアーティストだと、おそらく役者を引き立てることができないだろう。だから彼女のように、役者が歌うときのタイミングや呼吸にしっかり寄り添うことのできる演奏者が大切なのだ。後編では、どうやってオーディションに合格したのかについて迫ります!

【プロフィール】
松浦 麻未/Mami Matsuura
ピアニスト。神奈川県横浜市出身。5歳よりピアノを始める。桐朋学園大学音楽学部を卒業後、奨学金を獲得し米ボストン・バークリー音楽大学に入学。在学中Jazz Performance Awardを受賞。2019年に同大学を卒業後、ニューヨークを拠点とし、主にミュージカルのピアニスト・リハーサルピアニストやミュージックディレクターとして活動している。現在、CATSミュージカルツアーの演奏を担当し、全米ツアーを行っている。

Mami Matsuura -Official Website

【関連URL】
CATSミュージカルUSツアー

 

Profile

著者プロフィール
ベイリー弘恵

NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。

NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com

ブログ:NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

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