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「ローンオフェンダー」とは何か?――単独犯テロの3類型と現代テロ対策の行方
タイプ1 組織直結型 具体的な支援・指令による単独テロ
この類型に属する単独犯は、テロ組織と直接的かつ強固な繋がりを持ち、その組織の戦略的な一環として行動する。彼らは、テロ組織の指導部から具体的な指令を受け、あるいは資金、武器、訓練、標的選定などの支援を受けて犯行に及ぶ。
単独で行動するという事実はあるが、その計画と実行は組織の論理に基づいており、極めてプロフェッショナルで緻密な場合が多いという特徴がある。組織からの支援があるため、犯行の致死性(Lethality)が高い傾向も見られる。
具体的な事例としては、特定の組織が「単独で実行せよ」と指示した実行犯や、海外で訓練を受け帰国後に指示された標的を襲撃する「外国人戦闘員」(Foreign Terrorist Fighters, FTF)の一部が該当し、犯行後に組織が直ちに犯行声明を出し自らの作戦遂行能力を誇示する傾向が強い。
タイプ2 触発連携型 思想的繋がりと自己発意による単独テロ
この類型は、テロ組織の思想やプロパガンダに強く感化され、一定の思想的・間接的な繋がりを持っているものの、犯行自体は組織からの具体的な指令や支援なく、自らの意思(自己発意)によって実行する単独犯を指す。
組織との接触は主にオンラインであり、彼らは、組織の「単独で行動せよ」という大枠の呼びかけ(インスピレーション)に応じた形で行動する。
動機は、組織への忠誠心や、テロ組織が主張する「聖戦(ジハード)」への参加を求める強い衝動によって突き動かされ、組織との繋がりを証明するため、犯行前に組織の旗や指導者への忠誠を誓う動画を撮影・公開することがある。
犯行の手法や標的は、組織の推奨するパターンを踏襲しつつも、実行犯の置かれた環境や能力に依存するため、実行の不確実性が残るのが特徴である。
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