コラム

誕生日は「文化の鏡」である...「ミニフェスのような誕生会」から見えた「個人」と「社会」

2025年06月06日(金)11時40分
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
誕生日

IMTMPHOTO/SHUTTERSTOCK

<誕生日をどう祝うか? 1つのイベントからも、その国の社会や文化を支える価値観が見えてくる...>

祝い事は国によって多様だが、特に違いが分かりやすい例は、誕生日パーティーではないだろうか。

ある年の夏、日本育ちの私の子供がジョージアで友人の誕生会に招かれたのだが、そのスケールと、そこに込められた熱量の大きさに文字どおり圧倒されていた。


会場にはキャラクターの着ぐるみ、エンターテイナー、司会者、音響設備、ケータリングがそろい、庭には大量の風船と小型アトラクションも備えられていた。

これは自宅が手狭な家庭であっても同様だ。専用施設を借りて豪華な誕生会を催し、参加者が両手いっぱいのプレゼントを持参することが恒例となっている。

その光景は、単なる誕生会を超えた一大イベントであり、まるでミニフェスのような盛り上がりを見せる。祝う側も祝われる側も一緒になって、1人の人生の節目をまさに全員全力で祝って楽しむのだ。

こうした盛大なお祝いは、子供に限らない。若い恋人同士であれば、誕生日の午前0時に合わせて本格的な花火を打ち上げたり、友人を集めてろうそくの光で地面にメッセージを描くといった演出も珍しくない。

正直、近所迷惑になることもある、騒がしいイベントではあるのだが、不思議とそれをとがめる声は聞こえてこない。「誕生日だから仕方ない」という社会の共通認識が、それを許容しているのだ。

そして、これは大人になっても続いていく。誕生日には、フェイスブックに大量の祝福メッセージが書き込まれる。

正直、うんざりすることはないと言えば嘘になるのだが、ジョージア人の深い思いやりからきている、この文化がなくなってほしいとは思わない。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米財務長官、欧州に報復自制求める グリーンランド巡

ビジネス

英ビーズリー株約40%急騰、チューリッヒ保険が10

ワールド

中国、EUに投資環境損なわないよう要請 企業排除の

ワールド

トランプ氏、ダボスでビジネス界首脳らと21日会談
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 2
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    「耳の中に何かいる...」海で男性の耳に「まさかの生…
  • 5
    中国、欧米の一流メディアになりすまして大規模な影…
  • 6
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 9
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 10
    「死ぬところだった...」旅行先で現地の子供に「超危…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 7
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story